ドラマ『まだ結婚できない男』第4話――「大人になった子ども」の親との付き合い方

■母への誕生日プレゼント

 そんな時、圭子から桑野に電話が入る。明後日、育代の誕生日なので、何かプレゼントを渡してくれと言うのだ。女性にプレゼントなどしたことのない桑野は、吉山を訪ね、意見を聞く。吉山が勧めたのは香水だった。香水を買いに店に行ってみたものの、中に入る勇気が出なかった桑野は、有希江に買ってきてくれるように頼む。

 母親の誕生日当日、プレゼントを用意して帰宅した桑野は、些細なことで育代と喧嘩してしまう。家を出ていった育代は、隣の早紀の部屋にいた。吉山や有希江も来ていて、にぎやかに誕生会が開かれている。当然桑野はそれに気づいていたが、顔を出すことはない。いつものように大音量でクラッシックをかけるばかりであった。

 誕生会が終わった帰り際、育代は吉山に伝える。

「息子と、人として付き合ってやってください」。

 結婚して欲しいではない、面倒見て欲しいでもない。いかにも育代らしい言葉ではないだろうか。息子を思う母の深い愛情が感じられる。

 結局桑野は、育代が乗ったタクシーを追いかけ、ようやく香水を渡すことができた。やりなれないことをして、桑野もさぞかし気疲れしたことだろう。

 今回一つのキーになっていたのは、ゆみの存在だ。桑野のことを、「変わり者で厄介な存在」と思っている節のある圭子たち身内の中で、それとなく桑野の味方になっているようにも見える。今の若者らしく、どこか冷めた性格ながら、桑野の生き方を認めているようなところもある。そんな微妙な感覚を平祐奈が見事に演じている。

 私もあんな姪っ子が欲しくなるが、残念ながら私は一人っ子なので、姪という存在はいない。ただ、従姉妹の子どもに女の子はいるので、身内の子どものかわいさはわかるつもりだ。桑野だって実はゆみのことを心配しているのかもしれない。

 育代も言っていたとおり、桑野は一人で生きていながら、なんだかんだと周囲の人に愛されている。ドラマだとはわかっていながらも、そんな生き方に憧れも感じてしまうのだ。一人の“結婚できない男”としてはね。

(文=プレヤード)

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