ドラマ『モトカレマニア』恋の未練は男も女も関係ない！？未練たらたらラブコメ第１話

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　元カレの存在を引きずり、“モトカレマニア（MKM）”になった女の子の混乱と暴走と試行錯誤の物語。合言葉は「女だって引きずる！！！」 「イタカワMKM」の“ざわざわ”ラブコメディー『モトカレマニア』。第1話がオンエアされた。

　これはすごいドラマが始まった……！　基本的には女性の恋は上書き保存、男性の恋は新しいフォルダに保存、と言われたりするが、女だって引きずる！　全然上書きできない！　思い出めっちゃ美化される！！！！　そんな女性たちの思い当たるところがありありなエピソードがギュッとつまったドラマ『モトカレマニア』。

　5年前に別れた彼氏マコチとの思い出の地を聖地巡礼して、一緒に写真を撮っているように一人で自撮りしたり、あの時の思い出に浸ったり、辛いことや悲しいことが起こったら脳内マコチが話しかけてくれて励ましてくれたり……。

　こうやって語りだすと痛々しいことこの上ないが、みんなどこかしら近いことやったことないだろうか。筆者はある。聖地巡礼はさすがにないが、脳内にはいるな…‥。思い出もちょこちょこ出てくる……。心当たりがありすぎてムズムズする。

　親友にはそんな不毛なことはやめて、新しい恋に踏み出せとさんざん言われるユリカだが、もはやマコチは付き合いたいとかもう一度会いたいというターンはすでに終了している。妄想の中の都合のいい存在。もはや心の支え的な、テレビの中の推しメンアイドルのような存在なのだ。

　そんな推しが、目の前に現れたら人はどうするか。その推しとアイドルが違うのは過去に一緒に過ごした時間と確かな関係が存在することだ。

　ユリカが何とか見つけた不動産屋の職場にマコチが務めていて、まさかの再会！　こんな再会の仕方したら浮かれて運命とか思ってしまうけれど、自分が脳内で何度もリフレインした5年の間にマコチにはマコチのリアルな人生があって、脳内マコチとはかけ離れた存在になっていることを目の当たりにする。
　
　当たりまえだけど、妄想の中の人は自分を傷つけない。その前に妄想はセーブがかかるから。だからいつまでも優しいし、多分喧嘩したりちょっと嫌だなって思う部分は思い出の中から消えて、キラキラしてドキドキした思いだけがリフレインされる。なので、そのつもりで本人と接してしまうと大事故である。
　
　新しい職場である不動産屋の仕事で一番最初に接したお客様、山下と物件を見に行くことを重ねるうちにどんどん意気投合していき新たな恋に発展しそうな様子を見せるが、どうしても脳内マコチには勝てない現実……。

　顔はそこまでよくないかもしれないけれど、仕事も大手で性格も悪くなく一緒にいても楽しい相手、山下。SNSでも「#山下にしとけ」というハッシュタグが出回るほど、モトカレに執着せずに山下しとけ、と思う場面が何度もあったけれど、そこでちらつくのがマコチなんだよなぁ……。

　どうやらマコチには現在同棲している人がいて、当時やっていたカメラはもうやっていなさそうで、おしゃれな店にさらっと連れてきちゃうような感じになってて……と脳内や過去のマコチと違う面を見せられてしまったユリカ「でもそれ難波さんには関係ないよね？」と脳内マコチだったら絶対に言わない台詞を言われてしまう。これは傷つく……。分かっていても傷つく。雨の中に走り出しても、もちろん追いかけてもくれないし迎えにもきてくれない。　だって彼女ではないから。

　そこでまた現れるのが山下で、こんな時に現れたらもう飛び込んでしまうもの。しかし、山下といい雰囲気になったかと思ったら突然の拒絶。なんと、山下もユリカと全く同じマニアであることが判明する。そう、彼はモトカノマニア。ユリカと同じく脳内モトカノに支配された男だったのだ。

　同じマニアをみつけたユリカ、いったいリアルマコチとの関係はどうなる！？

　同僚のハラミ会（ハラスメントを未然に防ぐ会）の面々や、ユリカの脳内会議、妄想マコチやガンバレルーヤのよしこの熱演など見どころ満載えぐられ所満載のこのドラマ、毎週の楽しみになりそうだ。
（文=三澤凛）