ドラマ『G線上のあなたと私』３人のすばらしい関係性…でもこれは壊れることの裏返しか？第２話

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　恋愛マンガの名手・いくえみ綾 原作で、世代を超えた友情、恋愛を描く人気漫画をドラマ化した『G線上のあなたと私』。第２話がオンエアされた。

　初めての発表会を前に、バイオリン練習に熱が入る也映子（波瑠）、理人（中川大志）、幸恵（松下由樹）。そして、ついに訪れた発表会当日。

　婚約者への未練を断ち切るため、結婚式の二次会で着る予定だったワンピース姿で現れた也映子。そんな也映子の普段とのギャップに照れる理人と、そんな理人の反応を楽しむ幸恵だったが、いつにも増して３人の間には緊張感が漂っていた。気合十分で望んだものの、さんざんな演奏に意気消沈する３人。
　そこで、幸恵は、夫の弘章（小木博明）と姑の由実子（夏樹陽子）が不在の週末に、自宅で練習会を行わないかと提案。幸恵の娘・多実（矢崎由紗）のピアノ伴奏に合わせ楽しく練習をしているところに、姑・由実子が突然帰宅する——。

　ショックを受ける幸恵だが、理人が思いがけない言葉を掛ける。一方、也映子はそんな２人の姿を見てなんだかもやもや…。

　初めての発表会というただでさえ緊張する状況。大人になってからの初体験って、子供の時よりも怖い気持ちが強まっているように思うのはなぜだろう。

　発表会への参加を決めて練習に励んだものの、やはり結果は残念なことに。一番弾ける理人ですら、見るからに緊張に飲まれてしまう結果に。

　也映子はこの発表会に婚約者との結婚式の二次会で着る予定だったドレスを身にまとい、気持ちの弔い合戦も兼ねた発表会だったがなんとなくさっぱりしないまま終わってしまう。役目を果たしたドレスを売り払って思ったことは、「私を振ったあの人は好きな人と元気だろうか？」と、やはりすっきりしないもの。

　自分たちの演奏に満足いかなかった3人は、また次の発表会にできることを決める。そしてそれに向けての練習を家でやらないかと幸恵が二人を誘ってくれた。幸恵は普通の主婦で、嫁姑問題を抱えたり夫の浮気問題があったりする中で、やっとこのバイオリンという習い事に楽しさを見出しているようだった。

　娘の多実と一緒に二人を出迎え、おしゃべりしたり練習したりというなんでもない時間を楽しみにしていたのだ。それが、旅行に出かけたはずの姑が1日早く帰ってきたことによって台無しにされてしまう。

　表面上、上手くいっている嫁姑の関係性も、こういった些細なしかし幸恵が大切にしていた時間を奪うなど、ちょっとしたことを仕掛けてくる姑なのだと、幸恵は二人の前で悔しさから泣き出してしまう。

　そんな彼女に理人が「楽しく終わればこっちの勝ちだ」と励ましの言葉をかけてくれる。幸恵に対して何も言葉をかけられなかった也映子は、理人がこの言葉をかけたこと、そしてかけられたことで観るからに元気がでた幸恵に対して、少しだけモヤッとしてしまう。

　このモヤッとの正体は、小さな嫉妬。同じラインに並んでいた3人の仲で自分だけが近づけなかった距離感に、二人がいってしまった寂しさを感じてしまったのだ。

　その思いを幸恵に吐露すると、幸恵は也映子と自分は同じフィールドにいないこと。嫉妬されていることが刺激的である、と無邪気に喜んでみせ、また年長者として二人に見えていない景色からの助言をくれる。
　
　本当、この物語において松下由樹演じる幸恵の役割の大きさよ……。一般的な恋愛ドラマだったらもうちょっと脇役な扱いだけどどメインの役だからちゃんとかかわってきて、だけど恋愛とは違う立場だけど仲間で、そして共感を得るであろう層が幅広い！！

　結婚して子供がいて、という人だけじゃなくて世代が違う、ポジションが違う人より少しだけ上にいる立場の人は幸恵にめちゃくちゃ共感するのではなかろうか。

　理人と也映子はそのうち恋愛に発展しそうだが、現段階で彼は兄の元カノ、眞於に好意を寄せている。しかし、自分もバイト先の女の子から好かれている思いに対して「全然望みないから辞めればいいのに」という思いを持っており、その気持ちと同じように眞於も思っているだろうことを薄々感じているために苦しそうである。

　也映子に恋愛関係のことを詮索されることや幸恵と茶化されることに抵抗を示すが、なんだかんだで恋愛相談をしてしまったりと、19歳の彼にはまだ恋愛は難しそうだ。基本的にはいい子が、本当に男子って……という行動を取ってしまいがちなので、これから傷つく展開が見えてしまう。

　思い出がたくさん詰まってる弟と一緒にいるの、先生的にもきついだろう。元カレこと理人の弟にも子供が生まれたりと周りの状況が目まぐるしく変わっていく中、彼はバイオリン教室を続けながら　眞於先生の気持ちを掴むことはできるのか……。
　
　3人の関係性がとても素敵なので、あんまりそこがバラバラになったりする展開にならないでほしいが、まだ2話なので色々なことが起こるだろう。期待しながら続きを待つ。
（文=三澤凛）