ドラマ『まだ結婚できない男』第3話――かわいい子と噂になった時のまんざらでもない気持ち

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　芸能人のスキャンダル報道で、当事者がはっきりとしたコメントを出さない時、見ている人は「実際のところどうなんだよ！」とやきもきした気持ちになるだろう。

　ただ、ひとたび自分がその立場になったらと考えてみると、実際には何もなかったとしても、他の人に「何かあった」ように思わせることで、ちょっとした優越感を抱けるような気がする。

　さすがに私は芸能人ではないので、有名人と噂になることはないが、学生時代、クラスのちょっとかわいい子と噂を立てられた時、はっきりと否定はせず、「うん、まぁどうかな」などと思わせぶりなことを言ってしまった記憶はある。その点では、今回の桑野の気持ちも何となく察しはつくのだ。

　ドラマ『まだ結婚できない男』（フジテレビ系）第3話では、桑野（阿部寛）が隣の部屋に住んでいる女優・早紀（深川麻衣）と、あらぬ疑いをかけられたことが話の軸となっていた。

■心を通わせる桑野とタツオ

　ある日桑野は、隣の部屋の住人・早紀が「青酸カリで人を殺す」と話しているのを壁越しに聞いてしまう。その話を弁護士の吉山（吉田羊）にしたところ、刑事まで呼んでしまう大騒ぎとなる。

　しかし、実は早紀が話していたのはドラマのセリフで、桑野もそれに気づいていた。つまり、桑野は吉山をちょっとからかうつもりだったのが、予想以上に話が大きくなってしまったというわけだ。

　今回のことに限らないが、桑野はどうやらジョークが下手なようである。吉山だけでなく、カフェのマスター・有希江（稲森いずみ）や、共同経営者の英治（塚本高史）などにも、わざと仕掛けてみるようなことをするが、それがうまく伝わらず、結果「変わり者」と見られてしまうのだ。

　騒ぎに巻き込んでしまった刑事に詫びを入れ、吉山とともに帰る途中、桑野は探しものをしている早紀を見かける。聞いてみると最近飼い始めた、タツオという犬がいなくなったという。一緒に探した桑野は、タツオらしきパグ犬を発見する。それは前作で桑野と心を通わせた犬・ケンに瓜二つだった。目と目で会話をし、分かり合う桑野とタツオ。どうやら今回も二人は仲良くなりそうだ。

　その頃、事務所では英治と、窓口となった桜子（咲妃みゆ）が、引き渡しした住宅の仕様が違うという苦情を受けて、窮地に陥っていた。桑野は英治に相談されるものの、「甘えるな」と冷たく突き放す。英治は吉山に相談することにした。

　そんなある夜、桑野はタツオの散歩をしている早紀に会う。一緒に歩いていた時、早紀の元カレで俳優の野村（平田雄也）がやってきて、復縁を迫る。しつこい野村に対し、話の流れで桑野と付き合っていると言ってしまう早紀。その場はなんとか逃れたものの、そのシーンを週刊誌に撮られてしまったのだ。

　発売された誌面では、目線で隠されてはいるものの明らかに桑野だとわかる写真が掲載されていた。事務所、家族、仕事先、みんなにバレて冷やかされる桑野。嫌そうにはしているが、まんざらでもなさそうだ。

　実は桑野、前作でも、キャバクラの女の子と付き合っていると誤解されて、浮かれていた過去がある。年齢を重ねてから若い女性と噂になると、「まだまだ俺も捨てたもんじゃないな」というような気持ちになることだろう。

 
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