アニメ『アフリカのサラリーマン』UMAですら逃げ出すブラック企業がまじでやべぇ！第２話

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　サバンナも食物連鎖もカンケーない！　アニマルサラリーマンたちのかわいく、シュールで世知辛い、資本主義会社員デイズ　第2話。

第2話「アフリカの社畜」
　アフリカでも運動しなければ太る。歳をとるといつのまにか体重が増える。朝起きたら彼女が増えている。そんなダイエット相談からお風呂のお湯の使い道まで、悩みは尽きないサラリーマン稼業。ある日、ライオンたちは社長からある幻の動物を探してくるよう命じられ……。

　最初の話は「アフリカのダイエット」。ランチの時間はみんなでファミレス。ライオンは健康診断で不健康と診断されてしまう。とりあえずダイエットから始めるために、頼む料理もサラダがメイン。しかしこのサラダの作画が過去にインターネットで話題になったレタスと同じような球体のものになったり、葉っぱがきちんと描かれたりと、分かってやってる感がものすごい。

　肉食獣なのにサラダで頑張るライオンのとなりでカレーをがっつき、さらにお替りまできめるオオハシ。ダイエットしなくても痩せているトカゲ。それぞれの健康管理事情も、現代日本に通じる。

　二話目は「アフリカの風呂事情」。アフリカのサラリーマン、世知辛い。人間社会と同じく思春期の娘を持つお父さんはみんな言われるあの言葉。「お父さんのあとのお風呂には入りたくない」。

　かわいい我が子に言われてしまったらしく、しょんぼりとしているライオンさん。ライオンが入った後は毛がやばいのだそうだ。そりゃ家族でもきついな……。

　一方オオハシくんは一人暮らしのため、お風呂にお湯を張るのを少しためらってしまうという。家族がいない場合のお湯の効率的な活用法はないかと相談すると、お湯＋オオハシ（鳥）＝出汁　という図式が出来上がりライオンもトカゲも残り湯は料理につかうのがいいのではないかと提案する。

　最初はこの答に憤慨していたオオハシ。しかし実際にお風呂に入ってみると自分も全く同じことを考えてしまい、試しにやってみることに。予想外においしいロールキャベツができたので二人におすそ分けしてみたものの「なんかキモイからいらない」と拒否られてしまった。鳥出汁はおいしそうだけど会社の同僚の出汁って言われるとキモイ。

　3話目は「アフリカのリモート同棲」。セフレがたくさんいるオオハシくんは、リモート同棲をやっているらしい。リモート同棲とは、1日中電話をつなぎっぱなしにして好きな時に話すという疑似同棲のようなもの。しかしオオハシくんは彼女複数おり、その複数とリモート同棲をすると必ず修羅場は訪れる。

　かくして、リモート同棲中にリモート修羅場が起こるという事態に。オオハシくんは基本的にゲスい性格なのでお互いをなだめたりすることはなく、二人を煽って見守っていましたとさ。彼氏だったら最悪だけど、はたから見ている分にはオオハシくん、最高。

　最終4話目は「アフリカの社畜」。サラリーマン＝社畜というわけではないが、ライオンたちが務める会社はそこそこにブラック企業らしく、亀社長は社員たちを「社畜の皆さん」と呼び、こき使っている。

　今回は、通常業務とは別の特別な仕事を3匹に依頼しにやってきた。「モケーレ・ムベンベ」という未確認生物（UMA）をジャングルまで探しに行ってほしいというのだ。

　しかも、業務ではあるが交通費は100円まで、食費は300円までしか支給してくれないという。これはひどい。しかし文句をいうと減給というパワハラ発言が飛んできてしまうので、3人はしぶしぶとジャングルに向かう。

　モケーレ・ムベンベを探す3人だが、それよりも先にまさかの生物、河童に遭遇してしまう。「アフリカのサラリーマン」の画風とはまったく異なる画風の河童は予想外にかわいらしい声で、フレンドリーに話しかけてくれる。しかしモケーレ・ムベンベについて聞くと、教える代わりに男を紹介しろと言ってくる。しかも好みのタイプの指定が細かく「全身毛むくじゃらで目がまっか鋭利な角が規則的にはえてる男」がいいとのこと。

　そんなピンポイントな男いないだろうと思った矢先に、まったくその表現通りの生物が彼らの前に現れる。そして都合のいいことにちょうど彼も「頭の上に皿がついた女」を探していた。

　かくして二人は出会い、モケーレ・ムベンベの行方を教えてもらうことに成功した。形容しがたい落書きのような見た目の生物。彼をなんとか捕まえ会社に戻ると、ものすごい叫び声を上げて逃げまどった。そう、彼はこの会社の総務部の社員で、あまりのブラックさに逃下出していたのだ。それを社長が他社員を使って連れ戻させていたのだ。

　同じ会社で働く社員が絶叫しながら逃げ惑う姿を見て3人は即座に転職サービスに電話を掛けるのだった。この会社、不安すぎる……。サラリーマンの悲喜こもごもを垣間見た回であった。
（文=三澤凛）