VRの熱量は高いけど……数カ月楽しんでみて感じた「問題点」

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イメージ画像/Photo by Marco Verch from Flickr

 VRをめぐるニュースは今もなお、毎日のように流れてきます。次々と新たなゲームやサービス、そしてデバイスも発表されており、VRの進化は止まりません。

 筆者もVRを楽しめるハイスペックなPCを導入してから早くも5カ月が経ちました。毎日、
様々な方法でVRを楽しんではいますが、次第にわいてくる想いを隠しきれなくなりました。

「そんなに劇的に世の中が変わるほどじゃないぞ……」

 VRの機器を導入するにあたって、イメージしていたのはこれまでのサイバーパンクな作品が描いてきたような状況。『ニューロマンサー』にはじまり、最近だと映画『レディ・プレイヤーワン』などの世界です。もちろん、そこまではいかないにしても、世界が変わるような出来事があるのではと期待したのです。

 実際、VRで楽しむことのできる風景はこれまでにない衝撃でした。アダルト系であれば目の前に女体があるし、自分が女体になって動くこともできるというのはかなり衝撃的な体験といえるでしょう。

 しかし、そこには「もう戻ってくることのできない世界へ足を踏み入れてしまう」という感覚はありませんでした。

 それはなぜか。最大の理由は「面倒くささ」です。たとえばスマホでゲームを楽しもうと思えば、画面のアイコンをタップすればよし。パソコンやゲーム機を使う場合でもスイッチをいれれば簡単に起動し、コントローラーを操作すれば遊ぶことができます。

 ところがVRでは、なにかをしようと思うとそうはいかない。ちゃんと動きをトラッキングしてもらうためにあれこれと機器のスイッチをオン。それからヘッドセットを装着と手間がかかります。

 その上で世界に入るわけですが、世界はそんなに広くない。首を振れば周囲に風景が広がっているのを見ることはできます。けれども視界は眼鏡の幅ほどしかありませんから全周に世界が広がっている感覚は味わえません。

 なにより問題になるのはヘッドセット。あらゆる方法を試しても、重いヘッドセットが
首に負担をかけます。せいぜい30分が限界です。

 このヘッドセットとそれを接続するケーブルは、自ずと動きも制限します。たとえば装着したまま寝転がろうとしたら首が痛いし、ヘッドセットがズレるし。うん、オナニーを楽しむのに使っている人はどうしているんだろうというのが最近の疑問です。

 日々、SNSでバラ色の進化を遂げているようなVRですが、ちょっと楽しんだだけでも、こんな風に次々と問題が現れます。それでも、今後は機材が改良され、より簡易に別の世界にいけるのではないかという希望だけはあります。そんな希望に賭けて新たなチャレンジが続いている。それがVRの現状なのでしょうか。

 早く誰もが、安価で手軽にVRを楽しむことのできる世の中を期待しています。
(文=昼間 たかし)

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