『君の涙の理由を俺はまだ知らない。』(スルメニウム)青春に悲恋はつきもの…?物悲しさが終始漂う涙の青春NTR!!

 スルメニウムの新作『君の涙の理由を俺はまだ知らない。』がFANZAで数字を伸ばしている。最近のアニメや漫画、ライトノベルのタイトルの流行りっぽくやや長いタイトルで、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を意識したのがうかがえる。

 「君の涙の理由」とややセンチメンタルな文言が組み込まれている。これが物語のキーとなりそうだ。

 サッカー部でレギュラー争いをしていた主人公・翔が、付き合って3カ月ばかりのヒロイン兼彼女・二葉に対し、「サッカーに集中したいからしばらく会うのを控えよう」と伝えるところから物語は始まる。しかしまちがってはいけない。彼は恋が冷めたわけではない。本当にサッカーに集中したいからの決断だ。それも彼女は十分に理解しているので、素直に受け入れる。主人公のライバルは校内でも有名な遊び人・滝沢。彼もサッカー部で主人公とレギュラー争いをしているのだ。

 翔が一生懸命練習している間も、滝沢は女をはべらせ、性欲を満たす毎日。しかし不幸なことに、二葉に目をつける。翔の彼女と言うことも知り、彼を精神的に追い詰めることもできて一石二鳥と、滝沢は彼女をNTRしようと動き出すのだ。

 偶然を装い、滝沢は二葉に近づく。彼女はもともと警戒心が薄いのか、すぐに会話が弾む。そこに翔も現れ、3人で話をしていると、ふと二葉がスマフォを見た後に涙を流した。滝沢はその瞬間を見逃さなかった。

 滝沢は涙の理由を瞬時に理解し、二葉を堕とす糸口はそこだとさっそく動き出す。彼の目論見は当り、二葉のNTRは成功するのだが……。

 物語の流れは大まかにこんな感じだ。NTRものと言ってしまえば簡単なのだが、物語全体には悲恋の物悲しさが漂っているのが大きな特徴だ。

 翔が二葉との関係を維持できなかったのは、彼女が涙を流したとき、その理由を瞬時に把握できなかったからだ。彼はその後、物語が終わるまでそれを後悔し続け、滝沢はそれをあざ笑うかのように二葉を蹂躙する。

 どこか青臭い展開だけれども、JKくらいの若さであれば、あっさり他の男に流れるなんてこともあるだろうから、リアルさは失われていない。作画も問題ない。95Pの大ボリュームだ。同人エロマンガとしてだけでなく、短編作品としても十二分に楽しめるだろう。
(文=穴リスト猫)

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