アニメ『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』活字が近くにあることってこんなにも幸せなのか…活字中毒者注目の第一話

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『本好きの下剋上』TVアニメ公式サイトより

 本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』。第1話が放送された。

第一章
本のない世界
 本が大好きな女子大生・本須麗乃は本に埋もれて亡くなり、気がつくと別の世界で、病弱な少女・マインとして転生していた。本があれば、どんな環境でも耐えられると思ったマイン。さっそく本がないか家中を探し回るが、どこにも本が見つからない。さらに母親のエーファと一緒に街へ出ても、文字すらなかなか見かけることができない。そこは識字率が低く、本がとても高価な世界だったのだ――。

 本好きからしたら、タイトルからして期待せずにはいられない。いま流行りの異世界転生ものだ。今期もこの手のものは多い。

 しかし、『本好きの下剋上』は別の人間に入り込むもの。本須麗乃という人格が、マインの体に入り込んでしまうことで物語が進んでいく。

 だいたい異世界ものは転生したところで大まかな常識は現実世界と似通っている。その中でファンタジー世界を楽しむものだが、この世界はそこそこにこちらの常識が通じない。この設定は好感が持てる。

 異世界が現代日本と同じように水洗トイレで清潔さが行き届いているはずもなく、トイレは桶に、お風呂もない。そりゃろうだ。マインとして生きることになることを悟ってからは、それらを受け入れるまで時間はかからなかったが、本を読めないという状況には慣れず、本に触れる手段を模索する。

 そもそも「文字」という概念が統一され「本」が流通するには長い歴史が必要だ。異世界に飛ぶと、大体が文化レベルが低くなる。そんな世界だから、量産される現代の「本」と出合うことは難しい。

 かくして市場で本を目視するも、高級品とのことで触れることもかなわない。本好きの活字中毒だったマインにはきつい状況だ。

 絵の雰囲気も素朴でストーリーも面白い。いまのところ気になるのは、所々挟まれるギャグがつまらないのと、マインの幼女としての体のバランスが悪い点だ。

 今後重要な役として登場するであろうフェルディナンドというキャラクターの出方も、大昔の少女漫画などで観られた作者がツッコミを入れてるような寒々しい印象を与えているのが残念だ。

 本がないのなら本を作ればいいじゃない、という発想のもと、彼女がこの不慣れな世界と虚弱な体でどこまでのことをやり遂げるのか。現代社会で本を気軽に手に取れることをかみしめながら、来週の放送を心待ちにしている。
(文=三澤凛)

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