『キャロル&チューズデイ』駆け足となった最終回…でも奇跡の七分間に涙!またどこかで彼女たちの歌を!!

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『キャロル&チューズデイ』より

 全世界の音楽を愛する人に捧げる、2人の少女が起こした奇跡の物語。

#24『A Change is Gonna Come』がオンエアされた。

 アンジェラの前に現れたタオは、ずっと隠していたある秘密を語り始める。その頃、キャロルとチューズデイは楽曲「Mother」をついに完成させていた。 大晦日当日、キャロル&チューズデイの始まりの場所・火星移民メモリアルホールに、火星中の様々なアーティストが極秘に集結してくる。 そして、のちに火星の歴史に刻まれることとなる「奇跡の7分間」の幕が上がるのだった。

 とうとう来てしまった最終回。毎回入っていたガスのモノローグがなく一気に見慣れたOPからのスタート。ああこのOPも見納めなのか。

 冒頭、アンジェラの前にやっと現れたタオとの対話からスタート。彼女は主人公二人よりも色々な難関を潜り抜けてきている。

 そんな彼女に対して、タオは別れを告げにきただけだと言って、再び姿を消そうとする。一緒に連れていってほしいと、アンジェラは願うがあっさりと拒否されてしまう。

 また一人になってしまう、自分は誰からも必要とされていないというアンジェラの悲痛な訴えを受け、タオは「君は一人じゃない」と、25年前に逮捕されたデザイナーズチャイルド、遺伝子操作により子供を作り逮捕された男の話を始める。その男は釈放後もう一人同じようにデザイナーズチャイルドを作り、また逮捕されたという。その一人目の子供がタオで、もう一人がアンジェラだと告げる。

 つまり、アンジェラとタオは兄妹!? 神谷浩史さんの無感情ボイスで突然語られたアンジェラとタオの秘密。

 とにかくタオは、自分と同じ境遇の妹を気にかけていたからプロデュースも受け、終われる身となってもアンジェラを案じていたのだ。「必ず君をみている」「またいつか会おう」という言葉を残し、タオはアンジェラの前から去った。アンジェラがまた歌いだせるように背中を押し、彼女の近くにいる人にアンジェラを託して……。

 そして、大晦日の日。キャロル&チューズデイが計画したアーティストたちと一つになるための楽曲を歌う日がやってきた。二人も、そして他のアーティストたちも納得するだけの楽曲「Mother」。2クールの中で登場した、彼女たちに関わる面々が一堂に会したのだった。
 
 続々と集まる中で、最後まで姿を見せなかったアンジェラもラストに駆けつけ満を持して「奇跡の7分間」が始まった。
 
 本当に素晴らしい7分間。キャロルからスタートし、チューズデイが加わり、アンジェラが加わり……とどんどん厚みを帯びていく歌声とそれぞれのパートにそれぞれの特徴が色濃くでてそれが混ざり合っていく。

 歌詞の中で「Mother 進むべき道を示して」っていう歌詞があり、その部分をアンジェラが歌い上げダリアの墓石が映し出されたときに、つい涙が頬をつたった。ダリアは本当の母ではなかったけれど、確かにアンジェラを大切に思っていたし、それはまたアンジェラも同じだった。やっとお墓、行けたんだねって思うと……。

 キャロル&チューズデイの二人が主役ではあったけれども、その対比として描かれるアンジェラはとても魅力的なキャラクターだった。描かれ方が後半ちょっと物足りない部分が多かったけれど、最終話で少し報われる部分もあったから余計に胸にこみあげるものがある。

 これまた駆け足だったチューズデイの母親の政治問題もきれいに片付き、奇跡の7分間が大成功を収めたところで物語は終わる。この先にキャロル&チューズデイを含めた面々がどのような活動をしたのか、世界はどんな方向に向かっていくかなどは分からない。

 どこかでまた物語の続きが見られるような余韻を残した終わり方には、賛否があるかもしれない。奇跡の7分間のあと、ファーストアルバムの発売がなされたキャロル&チューズデイがどうなったのかも、分からないのだ。またどこかで、彼女たちの歌声が聞けることを願う。
(文=三澤凛)

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