『ハロー・ワールド』デートムービーと思いきや、さわやか胸キュン恋愛映画の皮をかぶったSFものだった!

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『ハローワールド』公式サイトより

『ソードアート・オンライン』(以下『SAO』)シリーズ、『僕だけがいない街』で知られる伊藤智彦監督の、初オリジナル劇場作品『ハローワールド』。

 正直Yahoo!映画などでは、☆の高低差が大きく、平均点は3点台半ばと、あまりパッとしません。伊藤監督作品が好きな方であっても、映画館まで出向くのをためらっている方も多いかと思います。CGもめっちゃ美麗というわけでもありません。

 ところが、多少の粗は認めますが、予想外に楽しめました。悩んでいる方の背中を押すべくく、『ハロー・ワールド』の見どころ、面白かったところを紹介しようと思います(お金ももらっていないのにダイレクトマーケティング)。

■『ハロー・ワールド』のいいところ1:割とSFな物語と鮮やかなラスト

京都に暮らす内気な男子高校生・直実(北村匠海)の前に、10年後の未来から来た自分を名乗る青年・ナオミ(松坂桃李)が突然現れる。
ナオミによれば、同級生の瑠璃(浜辺美波)は直実と結ばれるが、その後事故によって命を落としてしまうと言う。
「頼む、力を貸してくれ。」彼女を救う為、大人になった自分自身を「先生」と呼ぶ、奇妙なバディが誕生する。
しかしその中で直実は、瑠璃に迫る運命、ナオミの真の目的、そしてこの現実世界に隠された大いなる秘密を知ることになる。

世界がひっくり返る、新機軸のハイスピードSF青春ラブストーリー。

 公式サイトのストーリー紹介によると、こんな感じになっています。

 近未来、2027年の京都を舞台に、読書が好きな少年が「10年後の世界からやってきた自分」と称する青年に師事しながら、ヒロインを守るべく奮闘します。

 こう書くと、流行のタイムリープを取り込んだ胸キュン恋愛映画のように見えますが、公式サイトでいうとおり、『ハロー・ワールド』はテンポが小気味いい、SF寄りな作品です。SFになじみがない方だと多少難解に感じることでしょう。ついでにいうと、タイムリープ要素は薄目。

 というのも、少年・直実くんたちがいる世界は、蓄積されたデータの世界。そこへ、実世界の青年・ ナオミが訪ねてくる(艱難辛苦の末、データの世界へ入り込んでくる)という説明が、割と序盤で普通になされるのです。

 平凡な少年で、読書好きで運動能力に秀でているわけでもない直実くんが、ヒロイン・瑠璃を守るために奮闘できるのも、彼がSF好きで、すぐに世界観を理解し、データの世界に干渉できる能力を磨く努力を重ねたためなのです。

 この辺、古典的なSFな世界観を2019年の劇場版アニメへ、うまく落とし込んだなと感心させられました。また、直実くんが本の中でも特にSF小説が好きという設定のため、話はサクサクと進むので、「そんな話、信じられない!」といったうっとおしい展開もありません。

 TVアニメ監督デビュー作が『世紀末オカルト学院』、『SAO』シリーズを手掛けてきた伊藤監督、一捻りした独自の世界観とストーリーテリングで読者を驚かせ、あるいは戸惑わせてきた脚本担当の野崎まど氏というコンビらしいといえる物語といえるのではないでしょうか。

(かつて野崎氏が脚本を担当したTVアニメ『正解するカド』は、捻りすぎて、何が何だかよくわからない奇天烈な作品となってしまいましたが)

 公開後であっても秘すべき重要ネタバレですので、詳細は避けますが、ラストのどんでん返しもお見事。

『ハロー・ワールド』は、前述のとおり、レビューでは☆の高低がバラけている傾向にありますが、☆を低くつけているのは、さわやかな感動を求めていたか、堀口悠紀子さんが描くかわいいキャラに萌えたいという、SFになじみが薄いか、理解力に乏しい方が多いように見受けられます。

 多少でもSF作品に理解がある方なら、普通に楽しめる作品です。安心してください。

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