アニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』“青い群れ”である5人の文学少女たち最後の戦いの末にナニを思う

『荒ぶる季節の乙女どもよ。』公式HPより

【性】に振り回される女子高生たちの物語『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の第12話がオンエアされた。

第12話「乙女心のいろいろは」
り香の退学処分取り消しを訴えるため、学校に立てこもる文芸部。
夜の部室で作戦会議をしていた和紗へ、泉からメッセージが入る。
一方、泉に告白しようとする新菜は、百々子と言い争いになってしまう。
その折、泉に自分の気持ちを聞かれてしまった新菜は、改めて泉に問いかけるのだった。
「私たちは、青い群れ」

 今期アニメの中でもトップレベルに面白かったと思う『荒ぶる季節の乙女どもよ』もとうとう最終回。

 ミロ先生を人質に取り学校側に訴えるも、敵もさるもの。女子高生の気持ちなど朝になれば落ち着くだろうと、みなを置いてそのまま帰宅。あっさりと見放されてしまった文芸部の面々はポカンとしながらも、作戦会議を行う。

 こんなタイミングだからこそ、泉に告白をしたいと口にした新菜に対して怒り出すもーちん。それによって廊下に飛び出しもつれ合って倒れてしまう。そこで和紗を交えて口論している中で「泉くんが好き」と新菜が言っているタイミングで、天城が連れてきた泉が登場してしまう。

 もーちんに詰め寄られ「和紗がすきならはっきり言わないとふたりに失礼だ」と言われたことで泉ははっきりと自分の気持ちを口に出す。

「俺が好きなのは和紗だ。だけど性的な欲求を感じるのは、菅原さんだ」というまさかまさかの最低発言。

 おい!泉!!!! なんて正直者……。 あまりにもな泉の発言に和紗はもちろん、その発言を聞いた他の文芸部も怒り心頭。ただし新菜は男の性的欲求と感情は分けられないから最初はそれだけでもいいと言い出す。

 好きな人にならば、性的だろうと何だろうと関心を持たれるのはうれしいこと……なのか。そこから始まる悲しい未来もあると思うのだが。

 曽根崎先輩たちの話に移るなどすったもんだしたあげく、大人のミロ先生が「色鬼」を提案する。それぞれの気持ちの主観と客観の取り違えで起こっている問題が多々あり、さらにそのせいですれ違いが起こっている。そこで色鬼を行い、指定された色が自分が思っている色と他人の色が違うことも踏まえてやってみればいいという提案だった。

 鬼の提示する色は、彼らの心の色。「百々子のももいろ」など、鬼の気持ちを理解した上でその指定の色を探してタッチしなければいけないのだ。

 そこで鬼になったもーちんは新菜を、新菜が泉をロックオンする。それゆえにもーちんと新菜は和解し、泉と和紗は気持ちを話し合うことができた。

 泉は和紗のことが間違いなく好き。しかし、いざ付き合うとなると、これまでとは大きく変わってしまう関係に戸惑いを覚えた。さらに自分の性欲を持て余し、どうしていいのかわからなかったり、恥ずかしいという気持ちがあったのだと和紗に告げる。

 その気持ちは和紗も持っている。泉も同じ気持ちでいたことを知ると不安が消えていくのを感じるのだった。ふたりとも、「いつかは」とは思っている。けれどそれは、今ではない。ふたりのタイミングがあるのだ。

 この色鬼をきっかけに文芸部の争いは終わりを迎え、最後の学校側への意志表示をやり遂げて朝を迎えた。純潔の白の紙の上に様々な色で自分たちの言い分を掲げた。そこで本編は終わりを迎え、次の彼女たちの姿は1年後の姿。

 曽根崎先輩は大学に進学し、天城との付き合いも順調な様子。ひと葉は文芸部で新入部員とミロ先生の結婚おめでとうサプライズの台本を書きその練習に打ち込んでいる。新菜ともーちんはわだかまりのなかったように仲睦まじく下校をしている姿が。そして泉と和紗は手をつなぎながら、泉の大好きな電車に乗ってデートをしている様子が描かれた。

 最後の台詞は電車がトンネルに入った瞬間の和紗のモノローグ「入った」。これはつまり……!?

 直接な描写はなかったものの、妄想させる余白が多かったこのドラマ。思春期だけにかかわらず人間どこかでぶち当たる性の問題の多種多様な恋模様を描いた素敵なアニメだった。

(文=三澤凛)

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