「ザ・グランヴァニア」閉店で秋葉原に難民続出か 古炉奈時代から打ち合わせ向けで愛されていた名所

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「欧風ギルドレストラン ザ・グランヴァニア」公式サイトより

 秋葉原のメイド喫茶「欧風ギルドレストラン ザ・グランヴァニア」が9月22日で閉店することを告知し、衝撃が走っている。閉店を知らせる文章の中では、設備の老朽化や原価の高騰、人員問題などが挙げられている。

「昨年にも、夏場にクーラーが故障してメイドさんが汗をダラダラかきながら給仕していることもありました。建物も古いですしね……」

 店舗の入れ替わりの激しい秋葉原でメイド喫茶の閉店は珍しいことではない。そうした中で「ザ・グランヴァニア」の閉店が衝撃的なのは理由がある。ここがすでに長年にわたって喫茶店が営まれた歴史のある場所だからだ。

 いま30歳より上の世代にとって「ザ・グランヴァニア」のある場所は、喫茶店「古炉奈」のあった場所である。そこは、メイド喫茶が乱立し観光地化が進む秋葉原の中で、唯一残ったメイド喫茶ではない喫茶店であった。

 給仕は女性がしてくれるけど、メイドではなくオバチャン。落ち着いた雰囲気で打ち合わせにももってこいの喫茶店ということで、利用する人も多かった。

 それが時代の趨勢に併せてメイド喫茶に衣替えしたのは、ちょうど10年前のことである。「古炉奈」の消滅に驚く人は多かった。メイド喫茶になっては足を運びにくくなるだろうと……。

 でも、そんなことはなかった。ダーツなどの設備も置かれ、メイドが給仕するようになったけど内装は、ほぼそのまま。相変わらず、打ち合わせには使いやすい店であることに変わりなかった。

 しかし、建物自体の老朽化問題はいよいよ店の歴史に終止符を打たせる影響を持つことになった。もはや、秋葉原に長居して打ち合わせできそうな喫茶店はどこにあるのか。いよいよ、居心地の悪い観光地になりそうだ。
(文=大居 候)

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