JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)は税金の無駄使い 開催中なのに誰も存在を知らないイベント

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JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)公式サイトより

 毎年の恒例、日本のコンテンツやクリエイティブを世界に発信する、JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)が、今年も開催中です。

 そんなイベントをどこでやっているのか知らない? なにをおっしゃいましょう。このイベントは2007年に経済産業省が音頭を取って立ち上げてから毎年秋に開催されているビッグイベントなのです。

 このイベント、2006年まで単独で開催されていた映画やゲームなどのコンテンツ系のイベントをひとつの大きなイベントとして開催しようという狙いで始まったもの。2007年からは東京ゲームショウや東京国際映画祭も、コ・フェスタの中の催しということになりました。

 ようは目論見としては、毎年秋にに日本ではコ・フェスタという巨大なコンテンツ産業の催しが行われている。その中には、よく知られる東京ゲームショウや東京国際映画祭もあるんだよ……ということで、海外からバイヤーを集めようというものでした。

 でも、これがまったく浸透しなかったのです。当初はコ・フェスタ独自の催しなどもやっておりましたが、名称はまったく浸透しませんでした。なにしろ東京ゲームショウの会場の看板にコ・フェスタと書かれているわけでもなく、会場内に申し訳程度にポスターが貼ってある程度。

 当時、小生が通っていた東京大学情報学環教育部にテレビ論の講師で来ていたテレビマンユニオンの重延浩会長がエグゼクティブプロデューサーを務めていた年がありました。この時に重延会長は、銀座線にコ・フェスタのラッピング電車を走らせることで一気に話題になると何度も大きな声で語っていたことを記憶しております。数多くの伝説的なテレビ番組に携わってこられた重延会長ですが、銀座線にラッピング電車が一編成走っているだけで劇的な広告効果が出る仕組みはいまだに理解できません。

 さて、迷走の果てにイベントが見事に瓦解したのは2013年。「コ・フェスタ2013」の公式サイトが、ようやく公開されたのは9月19日。すでに、パートナーイベントの「京都国際マンガ・アニメフェア2013」は終了。同じくパートナーイベントの「第35回ぴあフィルムフェスティバル」は開催中。オフィシャルイベントの「東京ゲームショウ2013」は、開催初日になってから公式サイトが出来上がったのです。

 コ・フェスタ事業を運営するNPO法人映像産業振興機構によれば、そうなった理由は「受託が一ヶ月ほど遅れてしまったから」というどうしようもないものでした。

 以来、もうイベントとしては無理と思ったのか、現在の公式サイトではこんな説明が。

https://www.cofesta.go.jp/pc/

「コ・フェスタ( JAPAN国際コンテンツフェスティバル )とは日本が誇るゲーム、アニメ、マンガ、キャラクター、放送、音楽、映画といったコンテンツ産業およびファッション、デザイン等コンテンツと親和性の高い産業に関わる各種イベントを効果的に海外に発信するための海外発信力強化支援プロジェクトです」

 ようは実態のあるイベントをやめて概念へと変化したというわけです。

 そして、この時期に開催されるあらゆるコンテンツ系の催しをコ・フェスタの関連イベントだと説明しております。なんだが、通り魔的な殺人事件が起こる度に「同志が立ち上がった」と勝手に犯行声明を出していた、一時のイスラム国みたいな香りがします。

 ともあれ、何年も税金が投入された果てがこれとは。国家が絡むとろくなコトにならない現実を見せてくれています。

(文=昼間 たかし)

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