よみがえる60年前のラブロマンス――ドラマ『ルパンの娘』第10話

YouTubeチャンネル「フジテレビ番組動画」より

 主にサスペンスものの映画やドラマで、「過去の因縁が、現代の事件の発端になる」というのは、定番中の定番である。最後に謎が解かれていく時には、時間を超えた運命の糸がほぐれていくようなカタルシスを感じるし、そこまでの長い時間、復讐や愛情といった気持ちを持ち続けていたことに、人間の思いの深さを痛感し、気持ちが揺り動かされるのだ。

 ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)第10話では、その「時間を超えた思い」の深さが、十分に描かれていた。

■巌は本当に死んだのか?

 江戸川の河川敷で見つかった焼死体の身元は、「立嶋雅夫」と報じられた。それは、華(深田恭子)の祖父・巌(麿赤兒)が、偽装するために名乗っていた名前だった。

 死んだのは巌なのか、別人なのか。息子である尊(渡部篤郎)も妻のマツ(どんぐり)も、真実をわかりかねている様子だ。

 そんな状況もあり、華は円城寺(大貫勇輔)とともにイスタンブールに行くことはやめにした。そして、偽装の名前である鈴木花として働きに出ていたところに、和馬(瀬戸康史)がやってくる。

 和馬が伝えたのは、例の殺人事件についてだった。立嶋雅夫の殺害現場近くに、巌がいつもつけていた南京錠型のネックレスが落ちていたというのだ。実は、そのネックレス、マツが持っているカギのネックレスでしか開かないようになっていて、巌がマツに結婚指輪代わりに渡したものだった。

 ネックレスは間違いなく巌の持っていたものなのか。確かめるためには実物を手に入れるしかない。華たちは証拠品が保管されている警察署に忍び込むことになる。

 ここからが、いつもの三雲家劇場のスタートだ。婦警役の華と母・悦子(小沢真珠)、捕まった詐欺師のフリをして白バイ警官へと変身する尊、白塗りの怪しい老婆になるマツ、もちろん、兄の渉(栗原類)もてんとう虫マシンを使ってサポートする。

 無事警察署に潜入成功し万全に見えた作戦だったが、和馬の母・美佐子(マルシア)がやってきたことで、いきなりピンチに。どうなる……? 息を呑んだ瞬間、やってきたのは円城寺。お得意のミュージカル調の歌を歌い始めると、それに美佐子が乗ってくる。「お前が歌うんかいっ!」とツッコミを入れたくなるが、考えてみればマルシアは元々歌手だった。さすがに慣れた様子で、見事な歌声を聞かせてくれた。

 その後、首尾よく証拠品を盗み出すことに成功した尊。祈るような思いで差し込んだカギで、南京錠が開き、中から古い写真が出てきた。そこに写っていたのは、今の華と和馬にそっくりな2人。それは、若かりし頃のマツと、和馬の祖父・和一(藤岡弘、)の姿だった。そして、そこに一緒に写っていた男、それが昔の巌(柄本時生)だったのだ。

 ここからドラマは、その頃の3人の物語に移る。

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