『みさとちゃんの夢日記』愛すべき超ロークオリティエロアニメ

みさとちゃんの夢日記/メディアバンク
みさとちゃんの夢日記/メディアバンク

 2000年以前のエロゲーは、いまでは考えられない設定や演出、シナリオや世界観が練りこまれているものが多く、伝説的な作品が多かった。

 1996年にエルフからリリースされた『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』が2017年にPS4で大胆なリメイク化がされ、アニメ化もされたことは記憶に新しい。

 今回は2000年以前の作品の中でも、ちょっと風変わりなタイトルを紹介しよう。1997年にActiveからリリースされた『みさとちゃん夢日記』だ。エロアニメ版がメディアバンクからリリースされているものの、厳密にいうとアニメではない。エロゲー原作のCGを転用した、強いて言えばモーションアニメである。

 ちょっとロリロリなみさとちゃんには大きな悩みがありました。それは不思議な夢を見てしまうこと。アイドル歌手やメイドさん、はたまたマッドサイエンティストの優秀な助手。夢の世界で大活躍…とはいかず、なぜかいつでも官能の世界へ…。悩めるみさとちゃんに明日はくるのか!?

 エロゲーとアニメ版に大きなストーリーの差異はない。原作のCGを使いまわしているのだから話が同じなのは当然っちゃ当然なのだけど、口パクになっていたり、多少のアクションが原作よりも増えているのが強いて言えばの違いだ。ただし、クオリティが高いとは言えない。

 女性声優陣の演技は違和感ないものの、男性声優陣の演技にやや難がある。アマチュアの朗読劇を聞かせられているみたいで、とにかく上手くないのである。

『みさとちゃんの夢日記』より
『みさとちゃんの夢日記』より

 しかし、10分も観ているとそれが味に変わっていく。このロークオリティさがポジティブに感じられるようになる。慣れとは不思議なものだ。

 ご丁寧に原作の3ルートを全て盛り込んでくれている。原作の総プレイ時間は2時間未満くらいだったと思うが、アニメ版は55分だ。興味本位で観るにはちょうど良いくらいだろう。

 原作が確かフロッピーディスクであり、今プレイするのが極めて困難ないま、今作は内容をそのまま楽しめる貴重な資料とも言えなくもない。こうした古典作品が別の形で楽しめるのも、エロアニメの醍醐味だ。
(文=穴リスト猫)

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みさとちゃんの夢日記

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