“生涯ドルヲタ”ライターの「アイドル深夜徘徊」vol.40

推しとの思い出を抱いて生きていく幸せもある――ドラマ『だから私は推しました』最終話

 
 それから1年が経った。愛は椎葉の法律事務所に席を置きながら、ライブハウスでも働いていた。アイドルやオタク仲間からの相談にも乗る、姉御的な存在のようだ。サニサイのメンバーも、それぞれの道を歩き出している様子だ。

 そんなある日、小豆沢は仕事である女性と知り合う。彼女は、かつてハナにいじめられていたという同級生・松田杏子(優希美青)だった。そして彼女からもらった写真には、彼女と仲よさげに写るハナの姿があった。

 ハナが以前、過去の自分のしてきたことに対し、「まずは松田さんに会いに行く。謝らなきゃ」と言っていたことを実行したのだ。小豆沢から送られてきた写真を見て驚く愛。元気でいてくれたことへの嬉しさと、彼女が言っていたことを実行していることへの喜び。そんな気持ちがあったのではないだろうか。

 いろんな出来事を乗り越えて、ハナは強くなった。そして愛も。やっぱり、この2人は似た者同士だ。

 解散や引退、今までたくさん見てきた。今でも「もう一度会いたい」とか「またライブが見たい」と思うようなアイドルはたくさんいる。でも、あの時見てきた思い出があるから、それを考えるだけで幸せな気持ちになれる。他の何ものでもない、アイドルとオタクという関係において、経験できたことだ。そんな思い出がたくさんあるだけで、オタクで良かったと思わずにはいられない。

 ちなみに、一年前に解散したグループの推しの子は、その後別なアイドルグループのオーディションに合格し、新メンバーとして活動している。現場で彼女を見るのは幸せだが、いつの日かこのグループだって、いなくなることがあるのはわかっている。

 それでも、これからも私は現場に行く。推しに会いに行く。先のことなんて考えなくていい。昔の思い出と、今の喜びがあって、「今日も推しがかわいかったから幸せ」そんなことを考える毎日がずっと続けばいいと思っているから。

(文=プレヤード)

推しとの思い出を抱いて生きていく幸せもある――ドラマ『だから私は推しました』最終話のページです。おたぽるは、その他連載の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!