愛することと愛されること――ドラマ『ルパンの娘』第9話

■遊び心満載の「冬彦さん」テイスト

 その頃、捜査一課では、連続女性誘拐事件の犯人逮捕に追われていた。

 犯人はSNSで繋がり、自分が恨みを持つ女性を誘拐し、殺害までしようとしている3人組だった。まず捜査線上に上がったのは、三枝夏彦(福澤重文)と戸口秋彦(イジリー岡田)の2人。「夏彦」「秋彦」という名前で、すぐには気づかなかったが、1992年に放送され、「冬彦さんブーム」を生んだドラマ『ずっとあなたが好きだった』(TBS系)のオマージュだったのだ。もちろん、残りの1人は「冬彦」で、やべけんじ演じるその犯人は、言葉遣いや容姿まで、見事に冬彦さんに似せていた。往年のドラマファンにはたまらない演出だったのではないだろうか。

 円城寺からプロポーズされ、ともにイスタンブールに行くことを選んだ華は、空港へ向かう途中、その3人組に誘拐されてしまう。実は、華が使っていた戸籍の「鈴木花」という人物が結婚詐欺師で、過去に「花」に騙された犯人たちに整形した本人だと思われてしまっていたのだ。
 
 監禁され、殺害されそうになる華。そこに助けに来たのは和馬だった。重い扉を挟み、一年ぶりに話をする2人。和馬だと気づいた華と、華だということに気づかない和馬。もうすぐ結婚すること、恋人と別れたことへの後悔、そして今の気持ち……そんなことを話す和馬に華は涙を流す。

 放出された一酸化炭素が充満し、あわや命を落とすかという時、華は和馬に救出される。顔を合わせ、華だと気づいた和馬は、彼女を抱きしめて言う。

「もう大丈夫だよ」

 その言葉は、どういう意味なのだろう。監禁から救い出したから大丈夫、というだけの意味なのか。それだけではなく、「自分はもう気持ちに整理をつけたから大丈夫」という意味にも取れるし、「これからも華を守り続けるから大丈夫」という解釈もできる。そこは、今の段階では見る者の判断に任されるということなのかもしれない。

 危機を脱し、一安心した三雲一家だったが、そんな時、テレビから衝撃のニュースが流れてくる。江戸川の河川敷で、焼かれた遺体が見つかったという。「立嶋雅夫」という被害者の名前を見て、父・尊(渡部篤郎)と、祖母・マツ(どんぐり)の表情が変わる。そして、尊は、祖父・巌(麿赤兒)が死んだというのだ。

 実は、少し前、華の前に現れた巌は、何か覚悟のようなものを語っていた。何か事件に巻き込まれたのか、ここへきて三雲家に新たな問題が生まれたことになる。

 和馬と華の関係や、エミリと円城寺の存在、そして巌の死の真相。ラストに向けてさまざまな問題が絡み合ってくる。

それらの糸を解くように、物語は展開していくことだろう。サスペンスとコメディ、そしてラブストーリー。それぞれの魅力を絶妙に絡ませながら、壮大なフィナーレを見せてもらいたい。
 
(文=プレヤード)

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