「平成ヤラカシ史」vol.6

ジャニーズファンのリアルなヤラカシ事情――ネットに動画が晒された“暴走系”元有名ヤラカシの末路(前編)

「あの動画は本当はもっと長くて、裏垢に載せた30秒間だけが掲示板に貼られたんです。最初の対応はめっちゃ良かった。あっちも逃げればいいのに逃げないからいい気になって『昨日何食べたの?』って聞いたら『ラーメン食べたよ。ほら見てラーメンの写真、何時何分何秒って書いてあるでしょ』って見せてきて、そんな詳しく教えなくてもいいじゃんって(笑)そういうくだらない話をしてたら、なぜか私の整形前の写真を自担が持ってたんです。携帯で見せられて、で『なんで持ってんの? 消して~』って言ってたら、そこが切り取られて流出してセクハラみたいになっちゃった」

 一体誰がオタクの整形前の写真をアイドルに送りつけるんだよ……という感じですが、ゆりさんの自担曰く「俺のヤラカシからもらった」とのこと。謎が謎を呼びます。

「触っていい? って聞いたら『ブスとオタクは嫌いだから』って変な名言を吐かれたんですけど、結局それってオタクでもかわいかったら誰でも当てはまるやん……って。その頃は自担にヤラカシがいることを知らなかったから写真の流出元を聞いて混乱して、『ヤラカシ、好き? 嫌い?』って聞いたら『嫌いに決まってんだろ!』って言われました(笑)」

 ゆりさんはそれ以前にも複数のJr.に対してヤラカシをしてみたりすることはあったものの、その事件以降『嫌いに決まってんだろ!』の自担に傾いていくようで……。

「トートバッグの中に勝手に後ろから頭を突っ込んだりしてました。それでも怒らないから『まだ怒んないのー!?』って騒いだり(笑)。自担が一回だけ喋った言葉が『いい加減にやめてくんない?』で、その時は『喋ったー‼』とかってみんなで大騒ぎしました。喋ったことにも感動しちゃうんですよね、言葉の内容とか理解してないから(笑)」

 なんというか、正統派のストーカーといった趣があります。

「ヤラカシをしながらもチケットは(お金を)積んで、公演で最前列に入っては無視されてました。ファンサもクソもないから、私を見て『あっこいつだ! 無視しよう!』って判断したことに『かわいい~♡』って言ってましたね。ずっと干されてたから、あの流出動画の日以降一回も喋ったことはない。一方的に喋って一方的に触るだけ。勝手に手を繋いだらそのままどこかに歩いていくから、『どこ行くのー? かわいい~好き~』って思ってたら警察に着いたり。それも何回かあります。上手いんですよね、自担が(笑)。私も学習して、手を繋いだ時に歩き始めたら終わりだなと」

 どうやらこの「ヤラカシを警察に誘導」という対処法はジャニーズ事務所においてはメジャーな手法であるらしいということが連載の取材を通してわかってきました。伝統として先輩から後輩に受け継がれる暴走ストーカーへの対処法。なかなかに趣深いものがありますね。

 さて、なかなかに長編になってきましたが、後半もゆりさんの暴走エピソード満載でお送りする予定です。

(後半につづく)

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