“生涯ドルヲタ”ライターの「アイドル深夜徘徊」vol.39

“解散”の日を迎えるオタクの気持ち――ドラマ『だから私は推しました』第7話

「ペットは飼い主に似る」などというが、アイドルのオタも、どこか似ている人を応援することが多い。もちろん、性別も年齢も違うのだから、そのことには気づきにくいかもしれない。でも、例えば私の場合、「学校で友達が少ない」とか「身長がなかなか伸びない」といったコンプレックスを抱えているアイドルにシンパシーを感じる。私自身、多くのコンプレックスを持っているし、その点で共感し、応援したいと思ってしまうのだ。

 椎葉の動きもあり、炎上の元となったサイトを削除することができた。そして、愛もハナと和解し、またオタクに戻ることになった。とりあえず、ひとつ問題を乗り越えた、そう思われたサニサイに、また新たな問題が持ち上がる。

 リーダーでセンターの花梨(松田るか)が、有名プロデューサーのユニットに誘われ、そこに行きたいと言いだしたのだ。花梨推しの小豆沢も止めようとするが、逆に言われてしまう。

「小豆さんがライブ中のふとした時、どこを見ているかわかる」

 はっきりとは映らなかったが、ライブ中、いつも彼の視線の先にいたというのは愛だろう。もしかすると、小豆沢は、愛を好きになってしまったのかもしれない。それに花梨は気づいた。それも、サニサイを抜けたいひとつの理由だ。

 この作品の巧みなところはここだ。サニサイのことを愛し、誰よりも継続を願っていた愛が、その解散の遠因となっているという皮肉な関係なのだ。もちろん、愛自身はそんなことを知る由もない。ドラマを見ている人だけが、神の視点をもって、その皮肉に気づくという仕掛けだ。

 結局、花梨が抜けるというサニサイは解散の道を選ぶ。ここから、メンバーと、オタクの最後に向けての動きが始まる。

 正直、オタクにとって一番ショックが大きいのは、解散の発表を聞いた時だ。何かの間違いではないか? これからどうなるのか? そんなことを考えて動揺する。しかし、その後メンバーと話すなどして、徐々に概要が明らかになり、解散ライブや、メンバーの今後がわかってくとると、それを受け入れるようになる。そして最後は大体、「最高の思い出を作って、メンバーを送り出してあげよう」という気持ちになってくるものなのだ。

 愛たちもそんな気持ちにたどり着いたようだ。新しいコールを考えたり、オタ仲間で飲んだりしながら、最後のライブに向け、またひとつになっていく。あとは、解散の日を待つのみだった。

 そんなある日、とうとう“事件”が起きる。

 ここから、取調室での愛の告白シーンに繋がっていく。ハナの配信にコメントしていた「スイカちゃん」が瓜田(笠原秀幸)であったこと、愛が彼に監禁され、逃げようとして突き落としたこと。

 それらを話す愛に対し、刑事の聖護院(澤部佑)は言うのだ。

 「あなた、嘘ついてますよね」

 嘘? 一体どこからが嘘なのだろう? 瓜田を押したところ? 監禁されたこと? それとももっと前から――?

 全ては最終回に明らかにされることだろう。面白いドラマだったので、終わってしまうのは寂しい、でもラストがどうなるのか知りたい。まるで解散を待つオタクのような心境で、次回の放送を待っている。最後は、愛もサニサイメンバーも、そしてオタクたちも幸せに繋がっていくようなシーンを見てみたい。

(文=プレヤード)

“解散”の日を迎えるオタクの気持ち――ドラマ『だから私は推しました』第7話のページです。おたぽるは、その他連載の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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