東村アキコ原作の注目ドラマ『偽装不倫』 第10話がオンエアされた。
このドラマの見どころは、偽装不倫カップルではなくて本気不倫カップルのほうと言い続けたまま最終回を迎えたわけだが、非常に不満である。
離婚という事実を受け入れられない様子の賢治が、風太のもとを訪れ勝負を挑む。それもボクシングでの勝負だ。まだまだ駆け出しとはいえプロのボクサーに勝負を挑むなど、負けにいくようなものだ。
それは賢治自身も分かっていたことだろう。それでも賢治は勝負を挑み、そして負けた。勝負の条件は「負けたほうが葉子と別れる」というもの。賢治が離婚して葉子と別れることが確定したのだ。
葉子は常々、「賢治との結婚には愛がない」「賢治は私を愛してない」と言って嘆いてたが、このリングの上でボロボロになって戦う姿を見ても同じことが言えるのだろうか。愛以外の何物でもないじゃないか。
相手の土俵に合わせて、負けるとわかっていても、無様な姿を見せてでも死に物狂いで勝ちを取りに行こうとするのって誰のためか。そんなの葉子のために決まっている。葉子は十分に愛されているのだ。自分のことをタイプの違う男性が拳で奪い合うってシチュエーションがうらやましい。
風太も、そんな賢治の強い思いを感じたように思えた。それこそ勝ったけど身を引く展開になるのではないかと思ったが、そんなことはなく葉子と風太がゴールインエンド……。
もうただただ賢治だけがかわいそう。最後に賢治が幸せになった描写がどこかに入ると期待していたがそれもなく、せっかく建てた二世帯住宅から荷物を抱えて出ていくシーンで賢治の出番終了。賢治が幸せになってくれないと悲しすぎる。スピンオフをやってほしいくらいだ。まさ子が空いてるぞ、賢治。
そして偽装不倫カップルのほうは、言わずもがなハッピーエンドを迎えるが、記憶喪失もジョーの嘘だったことが判明する。それは手術の後遺症ゆえに今後の人生に対して弱気になったからだったとのこと。
まったく……賢治に比べてなんてみみっちい男なんだ、丈。嘘に嘘を重ねて身動きが取れなくなってしまっている感と、うじうじグダグダというのをずっと繰り返している男という感じで、丈なんかより藤堂のほうがいい男だ。
そんな丈の泣き言について、視聴者が思ったことを鐘子ちゃんが全部的確に言ってくれた。
「私のためとかかっこつけて自分が逃げてるだけじゃない!」
「せっかく命が助かったのに簡単にあきらめないでよ!」
「私の幸せは私が決める!」
などなど、本当に視聴者が色々思っていることをズバっと言ってくれて気持ち良い。鐘子、かっこいいぞ!
本当にこんな女々しい男……と思うけど、鐘子は丈がよくてそのために頑張ってきたのだ。嘘ついてもいいことがない、ということを改めて教えてくれたこのドラマ。誠実に生きていきたいものだ。
切実に賢治のスピンオフを願う! 幸せになって!!!
(文=三澤凛)
ドラマ『偽装不倫』丈が幸せになるよりも賢治だろ!バッドエンドすぎる最終回が辛すぎる…のページです。おたぽるは、漫画、アニメ、作品レビュー、マンガ&ラノベ、ドラマ、東村アキコ、杏、仲間由紀恵、瀬戸利樹、田中道子、谷原章介、偽装不倫、宮沢氷魚の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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