ドラマ『Heaven?~ご苦楽レストラン~』何となく面白く、何となく良い話で終わる最終回…ほんとにこれで良かったのか?

ドラマ『Heaven?~ご苦楽レストラン~』何となく面白く、何となく良い話で終わる最終回…ほんとにこれで良かったのか?の画像1『Heaven?~ご苦楽レストラン~』公式HPより

 オーナーのオーナーによるオーナーのためのお店!? 問題だらけの至極のフレンチコメディー『Heaven?~ご苦楽レストラン~』。最終回がオンエアされた。

 最近のドラマは10話で終わるのが主流なのだろうか。短く感じるし、だからこそ内容を詰め込みすぎてしまっているように感じられるドラマも多く見られるが、この『Heaven?~ご苦楽レストラン~』は1話完結型が徹底されていた。最終回でもそれは変わらなかった。

 ドラマといえば多少なりとも恋愛や対立、裏切りなど派手なエピソードが盛り込まれる。しかし『Heaven?~ご苦楽レストラン~』にはそれがなく、一体何が売りだったのか分からないドラマだった。

 料理はおいしそうだが、それをメインに扱っているわけでもない。オーソドックスにいくならオーナーの仮名子と伊賀君の間で仄かに恋愛模様が描かれもおかしくないが、微塵もそういった要素がなかった。恋愛といえば常連客同士がロワンディシーで出会い、恋に落ち、プロポーズ、結婚、出産間近までを駆け抜けたくらいだ。

 ある意味、老若男女誰もが安心して観られるドラマではあった。しかし、このドラマは本当に色々と「もったいない」が詰まっていた。

 核となる目的のようなものがないために、そこに向かっての盛り上がりがない。1話完結の物語も、その中で1本芯として進むエピソードがあっても良さそうだが、それもない。石原さとみや福士蒼汰のビジュアルは完璧だったが、それをキチンと料理できている感じがしない。

 豪快で型破りなキャラクターが似合って入るがどこかに嫌味が出てしまい、同じような役柄を演じて大成功を収めた長澤まさみと比べると、残念な結果に感じなくもない。

 脇を固めるおじさん軍団や、志尊淳のキャラクターは魅力的だった。しかし、それぞれの葛藤と仲の良さだけを10週にわたって魅せられたところで、彼らの成長した姿が見られたわけでもない。

 振り返ってみても神回と呼ばれるような回や、印象に残るエピソードも特にない。無い無い尽くしのままに最後を迎え、なんとなく良い話風のエンディングを見つめてしまった。

 作家でもなく、ロワン・ディシーのオーナーでもなくなった仮名子はどんなその後を送ったのか。

 舘ひろしまで成長しきった伊賀君と、それ以外のメンバーのその後はどうなったのか(ある程度の年齢までは、みんなで各地にロワン・ディシーを転々と出店していたようだったが)

 第1話の時点で舘ひろしが伊賀君の未来の姿だという予感はしていたが、ここまでひねりなくその通りだと、もうちょっと何かなかったかという思いが湧いてくる。これが川合だったらかなり驚いたのに。

 火曜22時のTBSドラマはあたりが多く、何度も思い出す作品が多いが、この『Heaven?~ご苦楽レストラン~』を今後思い出すことはあるのだろうか。

 それくらいに無味無臭に終わってしまった。「ガツンとパンチ効かせて!」というのはロワン・ディシーのシェフによく仮名子が言っていた台詞だが、私たち視聴者もこのドラマにそれを求めていた。次クールの作品にぜひ期待したい。
(文=三澤凛)

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