「雑誌」というジャンルは終わってしまうのか。読み放題でも読者が戻らない雑誌の実情

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イメージ画像/Photo by Hernán Piñera from Flickr

 全国出版協会・出版科学研究所の2019年上半期の統計調査で、出版業界の最新動向が明らかになっている。ここでは出版の電子書籍への移行がさらに拡大するも、紙の減少に追いついていない事実が浮かび上がっている。

『出版月報』2019年7月号に掲載されたレポートによれば、2019年上半期の出版市場(紙+電子)は前年同期比1.1%減の7,743億円となった。内訳では紙の出版物が同4.9%減の6,371億円。電子が同22.0%増の1,372億円となり電子書籍の伸長はあるものの、紙の落ち込みにより市場全体では減少となった。

 紙の落ち込みが続く理由は書籍にヒット作が少ないことと、雑誌のマイナスが続いていることだ。レポートでは書籍では樹木希林『一切なりゆき』(文春新書)などいくつかのヒットはあったものの、昨年の『漫画君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)のような勢いがないために部数は落ち込んでいることを指摘している。

 さらに落ち込みが続いているのが雑誌である。雑誌全体では前年度比5.1%減となり前年同期の13.1%に比べると減少幅は縮小している。とはいえ、休刊点数の増加とムックの減少はいまだ続いており、いよいよ雑誌というメディアが過去のものになろうということは止められないようだ。

 雑誌の購読数の減少は電子書籍でも続いている。前述の通り電子書籍全体では前年度比22.0%の増加となった。しかし内訳をみるとコミック27.9%、書籍8.5%の増加に対して雑誌は15.1%の減少となっている。

 レポートでも雑誌のシェアの大きいNTTドコモの定額制雑誌読み放題サービス「dマガジン」の会員数の減少が続いていることを指摘。いよいよ雑誌が読まれないものになっていることを記している。

 雑誌読み放題サービスはAmazonでも拡大しており、読者にしてみれば手軽に読むことができる機会は増えているはず。それでも読者が戻らない背景には、雑誌の持ち味であった新聞やテレビよりもディープで、時にためになったり、時に下世話な知りたい情報を教えてくれるという価値が完全に失われていることを示している。
(文=昼間 たかし)

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