賛否両論の第一章から衝撃の反撃編『あなたの番です-反撃編-』。第20話がオンエアされた。
とうとう最終回。このドラマが始まって数週間は最低なドラマだと思う事の連続だったが、物語の中に「袴田吉彦」という単語が出てきたあたりから気になるドラマへと変化していった。
反撃編に入る頃には毎回考察を読み漁り、次の週を指折り数える毎日。そんなドラマが終わってしまう。悲しい。さみしい。誰が犯人なんだ。その答えが今日出てしまう。
先週の衝撃の裏切りの二階堂。尾野に言った「ありがとう」はどういう意味だったのか……? と気になってたのだが、このセリフに関する回収はなかった。尾野は二階堂に「ありがとう」って言ってくれたことに満足して帰ったのだろうか。
シーンは翔太と黒島が縛られてベッドに寝かされている場面へ移る。その真ん中には点滴袋。二人の腕には針が刺された状態だった。そこに二階堂が現れ「ゾウさんですか?キリンさんですか?」と、菜奈の動画で聞いた覚えのあるフレーズを二人に投げかける。
「僕が菜奈さんを殺しました」とCMでも聞いたフレーズ、嘘だと言ってよ……。ぞうさんを選べば翔太、きりんさんを選べば黒島が、塩化カリウムを流されると告げる。黒島は私を殺してと言うが、翔太はぞうさんを選ぶ。その瞬間に点滴を黒島に投げつける。
これのどこで黒島を黒と判断したのかがいまいち分からなかったが、彼女が犯人だと確信した翔太の行動に黒島は素早く対応し、自分が犯人だと自白をはじめる。
にやりと笑った黒島から、自白の連続には鳥肌が止まらなかった……。正直、Twitterの考察のほうが説得力があるのも多かったが、ひとつずつの犯行を楽しそうに語る姿に鳥肌が立った。
何よりも、菜奈の犯行について語るシーン。あの菜奈の動画の続きの部分……。翔太へ最後に思いを伝えるシーンがつらすぎた。「もっと一緒にいたかった。大好きだよ。大好きだよ」って涙ながらに伝える菜奈。自分が寝ているその隣で事が起きていたという絶望。
自分が殺したのに、何もしらない体で、翔太が菜奈の遺体を発見するところに同行していたんだと思うと、もうどんな感情でいたらいいか分からない。
そして黒島の肩を持っていた二階堂。彼は黒島が犯人だと知ってもなお、初めて好きになった人だからと責め立てることができなった。惚れたほうが負けの典型である。
そもそも今回のように翔太を裏切ったのも、黒島が自殺したいといっていたからだというから驚きだ。殺人はやめられないけれど、それが悪いことだとは分かっている。だから誰かに止めてもらいたい。その役目を翔太に任せたいというのだ。
しかし黒島の供述には反省の色は全く見られず、どんどん雲行きが怪しくなる。だけど彼女を捕まえることができない。初めて好きになって、初めて恋をした相手が殺人鬼だなんてつらすぎる。
翔太君のいうように、当初はゼリーしか食べず、AIのようだった二階堂が黒島に恋をしてどんどん変化していったのにその相手が……。「私と同じ人種になれ」と言われたところでそれはまっとうな心では理解ができないものだ。
そしてとうとう翔太が黒島の隙をつく。放送の少し前に田中圭の出したヒント「ミイラ取りがミイラになる」はそういった意味で、誰もが翔太が手を下すのではないかと思ったが、かつて菜奈が言った「手塚翔太は最後には抱きしめてしまうひと」という言葉通りに黒島を抱きかかえて警察に連れていくことに成功した。
翔太は、菜奈ちゃんのことを裏切らない。それが証明された犯人逮捕劇で、色々と腑に落ちない部分もあるがこの1点はとても素敵なシーンに感じられた。
その後の黒島の姿は描かれずに終わったが、翔太は菜奈が予約してくれた教会で一人式を挙げる。幻想の中の菜奈ちゃんのウエディング姿涙が出るくらいきれいだった。生きてる菜奈と翔太の結婚式が見たかった。「ずっと一緒だよ」の一言に、翔太の愛が詰まっていた。
黒島の告白の間に挟まれていた、西村と管理人の間の謎。捕まった住人の描写、現住人たちの姿などがさらりと描かれた。イクバル……。
そして最後の最後、残された赤池のおばあちゃんに水城刑事が訪れる。そこで衝撃的な発言をする。
「黒島はあなたの孫ですね?」
今までぼけていたのは全て嘘で、彼女は黒島の罪を容認していたのだ。
そして、いつも赤池のおばあちゃんの世話を焼いていた江藤の意味深な目線も気になった。彼は突然変な踊りをしたりと結局何者なのか分かりづらいだけのキャラだったが、何かまだまだ明かされていない謎がありそうだ。
『あなたの番です』は終わりに大きな爆弾を落とされるのが常だが、最終回でもそれは変わらなかった。番組のラスト、翔太と二階堂がまたも鍋を囲んでいると、突然インターホンが鳴る。
しかし、そこには誰も映っていない。不審に思い外に出てみると無人の廊下から車イスが転がってくる。そのイスの上には、「あなたの番です」と書かれた紙が。そして、赤池のおばあさんはその時、手足を縛られ病院の屋上の縁に座り……。
ええええええええ!?? これってどういうこと?! 続きは劇場フラグか?! もしくは『あなたの番です』というタイトルだけ受け継がれて全く違うマンションが舞台の新シリーズがいつかまた始まるのか……!?
賛否両論、色々な反応があったこのドラマ。伏線の張り方や展開に一喜一憂させてもらい、毎週この時間が本当に楽しみであった。
ドラマでこんなにも盛り上がれたのは久しぶりな気がする。全ての謎が回収されたわけではないが、それでも満足度は高いので帳消しとしよう。
また録画を観て、犯人を知った上で一話から見返してみたいと思う。やっぱりHulu登録しようかな……。扉の向こう側が気になりすぎる!
(文=三澤凛)
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