ドラマ『百合だのかんだの』誰も幸せになれない作品だった!? レズビアンに対しての理解が浅すぎる

「親友」という枠を越えた、女の子同士の姿を描く! FOD限定ドラマとして話題を呼んだ『百合だのかんだの』。待望の地上波放送 第7話がオンエアされた。

第7話 共依存からの生還
ある日マンションの入り口に女性が立っていた。それは海里の母、万里であった。万里から海里のことを聞き、万里の想いも聞く百合。いい母親だと判断し、母と距離を取ろうとする海里にも誤解だと言う。また、不破教授には海里の代わりに自分が相手をするからと伝えるのだった。
そんな百合が見たのは、海里から金の入った封筒を受け取る万里の姿だった…

 先週中々な喧嘩別れで終わったので、どうなるかと思いきや、けんか腰ではあるものの普段とあまりかわらないやりとりを見せる海里と百合。あまりにも流されやすすぎでは?

 友リングの扱いの軽さなど、この作品は百合カップルを描く上で、さまざまな関係性を大切に描かなければいけないはずだ。しかしヒロインが回りのキャラクターたちから、百合関係に引っ張り込まれるだけという展開になっている気がする。

 そもそも百合が怒ったのは、自分が脳内で描いた理想のカップルを汚されたからだった。

 人の関係に夢をみて理想を語って追いつめて、それが壊れると他人を責める。海里もそれを伝えるわけではなく、ごまかしているから喧嘩になる。どのシーンをとっても突っ込みと呆れしか出てこない。もう見るのをやめたほうがいいとも思うのだが、ここまで来た以上、引けないものだ。

 これは脚本が悪いのかもしれない。野島伸司が脚本を務めるという話題性が先行し、誰も『これがおかしい』と指摘ができなかったのか。レズビアンに対しての適当な解釈で誰も幸せになれないドラマ「百合だのかんだの」が生み出された気がする。

 さらにエロいワードを連発するわりには描写は少なく、セリフだけで物事を進めようとするから違和感がある。大学教授の不破が海里を痛めつけるプレイをしているらしいとのことだがその描写は特にない。朝、海里の部屋から出てくるシーンと、首筋に残る痕だけである。

 やれやれ系に大胆な下ネタをさっぱりと話す海里。このシーンが繰り返されすぎたため、もはやエロさは微塵もなくただの状況説明シーンだ。不破の性格もどんどん破綻していき、目的がわからなくなっていく。

 さんざん海里の性格がゆがんだ原因とされていた母親も登場し、それを百合が一緒にいることで乗り越えたような描写もあった。毒親の話はどこでみても胸糞悪いがこのドラマで見ると解決にもならない解決シーンも相まって本当にどうしようもなかった。

 百合の薄っぺらい正義感に依存する海里。そしてあっさりと友情が復活した彼女たちのくっついたり離れたりの薄っぺらい百合の関係も来週で最終回を迎える。どんな結末になろうとも、このドラマが残した負の遺産はなかなか消えないはずだ。
(文=三澤凛)

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