ヘタの研究 vol.7

若手俳優の演技がここ10年で「ウマく」なった理由とは? 松崎史也氏に聞く!【ヘタの研究】

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演技のウマい、ヘタを分けるものとは?(Photo by Pixabay)

「物事が“ヘタ”なとき、そこにはパターンや規則があるのではないか? そのパターンを知ればウマくなる手助けになるのではないか?」

 この仮説のもと、当連載「ヘタの研究」ではさまざまな物事の「ウマい、ヘタとは何なのか?」をその道の専門家に伺っている。今回のヘタの研究のテーマは演技。演出家・脚本家・俳優と、さまざまな立場で演劇に関わる松崎史也氏に伺った。

 

■「技術的にヘタ」な人が演じられない役とは?

――うまい俳優とヘタな俳優は、何が違うのでしょうか?

松崎史也氏(以下、松崎)前提として、技術的に「うまいかヘタか」というのはもちろん存在していますが、それとは別に「良いか悪いか」という評価軸も存在しています。これはなにも演劇に限りませんが。

――「ヘタなんだけど、そこがむしろかわいい(=良い)」とかありますもんね。

松崎 ですので、お客さんが健やかに受け止められたり、感情移入できたり、応援できたりしたらもうそれは技術的にヘタであろうが、良い演技だと思ってます。もちろん技術的に「うまい方」が良い演技にはなりやすいですし、「ヘタだけど良い」が許されない役もありますが。

――「ヘタだけど良いが許されない役」とは……?

松崎 例えば、いわゆる「カッコいい」役です。クールで戦ったら強くて、マントを翻し颯爽と去っていくような。それを演技で表現するためには、抑えたトーンでありながらも抑揚をしっかりつけられる台詞術を持っていて、戦いのシーンにも対応できるような体捌きができ、いい瞬間でマントを裁きながらバッと体の向きを変えられる等の「技術」を持っている必要があります。

――そのあたりがモタモタしていたら「クールなイケメン」には見えないでしょうね。

松崎 演技は基本的には技術なので「こういうシチュエーションの時はこうした方がよく見える、こうした方が伝わる」とか「この音とこの音を持っている」など、技術の引き出しがいかにあるかなんです。ただこういった技巧を見せつけるように出してしまうと、「うまいけど鼻につく」になっちゃうんですが。

――「どやさー!」が鼻につく、うまいのに愛されにくい人って、確かにさまざまな分野にいますね。

松崎 技を手に入れた上で、いかにそれを捨てるか、あるいは捨てているように見せるか、なんでしょうね。

 ですので、冒頭の質問の「うまい役者とヘタな役者の違い」ですが、ヘタな役者というのは、皆さんが見てヘタだなと思う人がヘタ役者です。技術がお客様から見て明らかに足りていない役者、と言い換えられるかもしれませんね。

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