徹底的にこだわった昭和ロマネスク――ドラマ『ルパンの娘』第8話

■スナックの店内で始まるコメディ劇

 そんな時、華がスナックに戻ると、一人の女性が泣き崩れていた。それはなんと、元銀座のママになりきった、母・悦子(小沢真珠)だった、そして、偶然にも流しに扮装した尊と、なぜか白塗りの祖母・マツ(どんぐり)までやってくる。まるでコメディの舞台を見ているかのようなやりとり。この手の展開も、懐かしいといえば懐かしい。ドラマの中で劇中劇のようなものが使われることもあったな、と思い出される。

 それぞれが、でっち上げた過去の話をする中、佐知も自分の身の上話を始める。昔一緒に暮らしていたヤクザの男(本宮泰風)がいること、彼は他の人の罪を被って刑務所に入り、今は出所していること、結局組は抜けさせてもらえず、明日、麻薬の密輸の現場に彼も出てくるであろうこと。

 そして、華に頼むのだ。「その男を盗んでほしい」

 知っててかばってくれていたのかと訪ねる華に、佐知は言う。

「善人か悪人かなんて、そいつの目を見りゃわかるさ」

 麻薬の取引現場に乗り込んだ華たち。いつもとは違った昭和レトロな扮装の三雲家は、渉の操作するてんとう虫3号の助けもあって、無事に男を救出する。そして、佐知は男と無事再会を果たすのだった。

 二人の幸せな姿を見届け、出ていこうとする華の元にやってきたのは、和馬だった。しっかりと抱きしめ合う二人。しかし、和馬は心を鬼にして、華の手に手錠を掛ける。
 パトカーに乗せられて連れて行かれる華を、和馬は苦悩の表情で見送るのだった。
 
 最後の最後まで、懐かしいテイストだらけ。幸福の黄色いハンカチ、トラック野郎、ヨコハマメリー、などなど、さまざまな作品のオマージュが混じっていた。ある程度のお約束は守りながら、毎回、違ったテイストが楽しめるのが、このドラマの魅力だろう。

 次回は、和馬と橋元エミリ(岸井ゆきの)、華と円城寺(大貫勇輔)の結婚話が進む様子。逮捕された華はどうなっているのか、そして、どんなテイストの作品に仕上がっているのか、ラストに向けた最終章の盛り上がりに期待したい。

(文=プレヤード)

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