徹底的にこだわった昭和ロマネスク――ドラマ『ルパンの娘』第8話

YouTubeチャンネル「フジテレビ番組動画」より

 令和の時代になって4カ月が過ぎた。

 時間の流れというのは、思った以上に早く進み、もはや“平成”ですら郷愁の対象になっているように思われる。ましてや、その前の“昭和”など、若い人たちにとっては、歴史で学ぶような時代になってるのではないだろうか。

 しかし、私のように、昭和の時代を長く経験してきた世代からすれば、その頃に見てきたテレビや映画の数々が、強い印象となって心に刻まれているのは確かだ。

 ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)第8話。今回は、全編に渡って昭和のドラマを彷彿される作りが印象的だった。

■バラバラになる三雲家

 とうとう正体が警察に知られることとなり、追い詰められた「Lの一族」こと三雲家。父・尊(渡部篤郎)の指示で、まずはバラバラに逃げ、1週間後に集まることとなった。

 一方、和馬(瀬戸康史)は、先輩刑事の巻(加藤諒)に「華(深田恭子)がLの一族と知った上で交際していたのではないか?」と問われるが、はっきりとした答えができない。

 ここでは、和馬の葛藤が見て取れる。もちろん、警察としての役目は果たさなければいけない。しかし、華のことも守りたい。三雲家が住んでいたと装った家でも、抜け道がバレないように気遣うなど、全面的に捜査に協力できてはいないようだ。そこにはもちろん、「華が見つかったら殺されてしまうかも」という懸念もあることだろう。

 さて、逃亡した三雲家の人たちだが、彼らを描いたシーンで、一気に懐かしい昭和の香りがただよってくる。

 華がいたのは、場末の蕎麦屋。地味なワンピースに、大きめのサングラス、そして頭から巻いたストールは、あの昭和の名作『君の名は』で有名な「真知子巻き」ではないか。後ろの方では、親子連れの客が3人で“一杯のかけそば”を注文するという、小ネタまで仕込んである。例によって、見ている人のどれだけが元ネタを知っているのかと思うような作りが、昭和の人間にとっては心地よい。

 1週間後、集まった三雲家の面々に、尊は、1万円の現金と新しい戸籍を渡し、こう宣言する。「三雲家、解散!」

 再び散り散りになった家族の中で、一番苦労していたのは、引きこもりの兄・渉(栗原類)だった。外に出ていないため、指名手配の似顔絵には描かれなかったものの、一人で生きていく術を知らない。公園の遊具の中に逃げ込み生活するも、遊びに来た子供たちにいじめられてしまう始末だ。

 しかし、その途中で倒れた子供を、てんとう虫3号で助けたことにより、「てんとう虫の神様」とあがめられるようになる。昔から、泥棒の上手な華と比較されてコンプレックスを感じていた渉だったが、寂しさの中で、自分と向き合うようになる。

 警察内部では、Lの一族の逮捕に躍起になっていた。捜査に時間がかかっていることを表すための、ひまわりが枯れていく描写も、公園の土管の中で華が雨をしのぐ様子も、暑い日に陽炎が立ち上る映像の演出も、みなどこか懐かしさが漂っている。

 そして、とうとう華は道端で倒れてしまい、スナックのママ・佐知(遠野なぎこ)に助けられる。そのスナックで働き始めた華。佐知は、華の正体に気づきながらも匿ってくれる。しかし、スナックのホステス(中原翔子)は、懸賞金欲しさに警察に通報してしまうのだ。

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