全てを知っているのは誰?――ドラマ『ルパンの娘』第7話

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YouTubeチャンネル「フジテレビ番組動画」より

 テレビドラマでよく見られる定番ネタとして、「母親が急に上京してくる」という話がある。

 東京でぱっとしない生活をしている主人公は、なんとか心配をかけまいと取り繕い、女の子に恋人のふりをしてもらったり、友達に頼んで立派な会社で働いてるように見せたりするのだが、結局ボロが出て全てバレてしまう。そんなドラマの最後、田舎に帰っていく母親は、決まってこう言うのだ。「最初からみんなわかっていたよ」

 全てを知った上で騙されたふりをしている母親の優しさが、この話の肝になるわけだが、途中のシーンを振り返り「なるほど、ここで知らないふりをしていたのね」とわかるのがまた面白いのである。

 ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)第7話では、このような、「この人はすべて知っているのでは?」と思わせるシーンがいくつか見られた。

■結婚への段取りを進める二人

 華(深田恭子)が、Lの一族の娘であることを知った上でプロポーズをした和馬(瀬戸康史)。華はそれを受け入れ、結婚への段取りを進めていく。

 まずは、両親に報告をした華だったが、早速心配なことに直面する。和馬が警察官だということを知らない父・尊(渡部篤郎)が、Lの一族として立派な泥棒になれるよう、彼を鍛えると意気込んでいるのだ。

 華は、結婚するにしても、和馬を泥棒にするつもりはないだろう。尊の思いをどうかわしていくかが、華の大きな悩みになる。一方の和馬が感じた悩みは、泥棒の一族にどこまで相容れるかということだった。

 結婚の挨拶をしに、三雲家を訪れた際、和馬は「僕に華さんをください」と言って、華の両親に頭を下げる。警察が泥棒に頭を下げることに、彼なりに葛藤があったのではないかと思われる。

 泥棒一家と警察官が結婚するということは、どんなことまで許されるのか、それを一つ一つ確認していく作業になるだろう。

 和馬は、結婚にあたって華に2つ条件を出す。

「もうお互いに嘘はつかない」ことと、「華はもう泥棒はしない」こと。

 華はそれを受け入れる。そして、まずは自分たちの生活を知ってもらおうと考え、両親が出かけている時に、和馬を本当の自宅に連れて行く。

 豪華な盗品が並んだ部屋に驚きを隠せない和馬だったが、そんな時、運悪く華の両親が帰宅してしまう。華は、慌てて和馬を、兄・渉(栗原類)の部屋に隠れさせ、なんとかやりすごすごそうとする。怪しむ尊だったが、華の祖母・マツ(どんぐり)の機転で切り抜けることができた。

 ここでまず気になった。本当に尊は、和馬がいたことに気づいていなかったのだろうか? 泥棒に関しても、ありとあらゆる事態を想定し、作戦を考えている尊である。頭脳も嗅覚も並大抵のものではないだろう。それが、マツのバレバレの声真似に騙されてしまうのも、何か不思議な気がする。実は、尊は全てお見通しの上で、華がどう行動するかを見守っているのではないか、という見方もできる。

 一方、和馬の父・典和(信太昌之)は、早速二人の結納の準備を始める。和馬の一家では、代々決まった温泉旅館で結納を交わすというしきたりがあったのだ。

 泊まりで温泉旅館に行くとなると、さすがに自分たちの職業のことも話に出かねない。そこで和馬は、自分の両親に対し、「三雲家の人たちは、警察嫌いで、『警察』という言葉を聞くと胸が苦しくなる」と説明し、職業を話さないように釘を刺すのだった。

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