“生涯ドルヲタ”ライターの「アイドル深夜徘徊」vol.34

「ファン」が「オタク」になる瞬間――ドラマ『だから私は推しました』第3話

『だから私は推しました』公式サイトより

「オタク」という言葉が世に広まった頃、私はまだ学生だった。

 その頃からアイドルは好きだったけれど、それが「ファン」だったのか「オタク」だったのかはよく分からない。ただ、昔から何かを集めたり、興味があることについては本を読み漁ったりするのが好きだったし、学校での友達も、アニメや漫画、鉄道、マイナーな映画や音楽など、いわゆる「サブカルチャー」系のものが好きな人が多かった。

 後に「オタク」の意味合いがなんとなく形成され、その特徴が語られるようになると、「ああ、やっぱり自分はオタクなんだ」と、改めて認識したものだ。

 自分自身を振り返ってみても、周りのオタクたちと話してみても、共通して感じるのは、みんな元々オタクになる素質を持っているということだ。性格診断ではないが、世の中のメインストリームではないものに興味を惹かれる、それについての知識が増えていくことが嬉しい、興味のないこと(例えばファッションなど)への知識は全くない、などの共通した特徴がある。果たしてそれが、生まれつきの素養なのか、育っていく環境で身につくものなのかまでは、正直分からない。

 言ってみれば、オタクというのは、なろうと思ってなれるものではなく、元々その才能を持っている人が、自分がオタクであることを認めたり、それに気づいたりして、なっていくものだと思っている。

 ドラマ『だから私は推しました』(NHK総合)第3話で、主人公の愛(桜井ユキ)が、「私はオタクではなくファン」と言うシーンが出てきたが、あれはまさに、「自分がオタクだということを認めていない状況」だったのだと思われる。そんな愛は、どのような過程を経て、「オタク」になっていったのだろうか。

 今回、ドラマの冒頭で話題になったのが、動画配信サービスについてだ。作中では「ショーケース」という名前になっていたが、これは言うまでもなく「SHOWROOM」がモデルだろう。

 アイドルが自宅から時間を決めて生配信をし、ファンはそれを見て、コメントを返したり、課金アイテムを送ったりする仕組みだ。よく考えられたビジネスプラットフォームだと思う。

 サニーサイドアップのメンバーであるハナ(白石聖)も、ご多分に漏れず配信をしていた。しかし、そこにアバターとなって見に来るのは、愛一人だけのことが続いていたのだ。たまに興味本位で覗きに来る人がいても、いきなりハナに「何かお話したいことはありますか?」と問われ、居心地が悪くなって退室してしまう。

 参加者が少ない配信での気まずさは、私も経験がある。アイドルが話に困っているようなときは、「何か広がるような話題を提供しなきゃ」と思ってしまうし、途中で抜けたくても、「今私が抜けると、参加者があと2人だけになってしまってかわいそうだな」と気を使ってしまったりもする。そんな事情もあって、やはり、「配信者」と「視聴者」という関係が成り立つぐらいの人数は集まって欲しいと思うものなのだ。

 愛もまた同じような気持ちだったろう。ハナのためになんとか人を集めたいと思い、「何かネタをやってみてはどうか」と助言する。考えた末にハナが始めたのは、料理してる姿を配信するというものだった。そして、それによりジワジワと人気を集めていった。

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