『かつて神だった獣たちへ』二度も父の死を目撃したシャールに起きた心の変化とは?

2019.08.13

『かつて神だった獣たちへ』公式サイトより

 今期注目のダークファンタジー『かつて神だった獣たちへ』の第7話がオンエアされた。

追憶の引鉄

【ケイン・マッドハウス】の仕掛けたホワイトチャーチ事件後、【ハンク】は姿を消した。そして、夜会で【ケイン】が発した宣言は、やがて【パトリア】全土を揺るがす大きな動乱となり、パトリアに再び戦争の足音が近づきつつあるのだった。

それから約ひと月後、故郷リブレットウッド村に【シャール】の姿があった。

 ケインとの闘いの後、ハンクは姿を消した。大きな爪痕を残した事件の後ケインは祖国パトリアから独立し新パトリアを立ち上げると高らかに宣言。この宣言が大きな戦争に繋がっていくというのだ。

 ハンクと離れ離れになったシャールは生まれ育った村に半年ぶりに戻ることにする。暴走したハンクにつけられた傷も、擬神兵から作られたという特殊な糸で織られたドレスを着せられていたため、傷が浅く済んだのだった。

 村に戻り懐かしい顔ぶれと再会するが、村に危険をもたらしたシャールに村人は懐かしいと言いつつもあまりいい顔をしない。それでもやはり故郷に帰れば父のお墓もあることや生まれ育った村で一息をつく。
 
 そんな中、偶然クロード率いる部隊がやってくる。そこにはライザも同行しており再会を喜び合った。彼らは擬神兵の残党の討伐のために遠征をしているらしく、この村で再度被害の声が上がったために寄ったらしい。この村には元々シャールの父が居て、それをハンクが仕留めた。それで終わったと思っていたのだが、また擬神兵が現れたのか。

 クロード達が擬神兵討伐に向かうというのを聞いたシャールは、同行を願い出る。表向きの理由は、現地の地理に詳しい者の同行があった方がいいというものだったが、シャールの本心は、ハンクがずっと背負ってきたものを間近で見ていたがゆえだった。しかし、知れば知るほどその真意がわからなくなってきていた。それ故、ハンクがいなくなった今も擬神兵と対峙し、その答えを知ろうとしているのだった。

 同行を許され討伐に向かい、擬神兵と対峙する。それはハンクが倒したはずのシャールの父ウィリアムの姿だった。しかも既に肉体は腐敗しており、酷い匂いを発していた。理性もなくし、ただただ暴走するだけの魔物と化していた。優しかった父、聡明だった父、その面影はどこにもない。ただ、彼が教えてくれた言葉の数々はシャールが父を撃つための背中を押してくれた。二度も父の死を目撃し、最後は自分の手で撃つ娘の気持ちを思うと胸が痛む。しかし、シャールは父を撃ったことで、やっとお別れすることが出来たと話す。納得が出来ないままだった前回よりも、ハンクの側で数人の擬神兵を看取ったいま、父に対する思いも変わったようだ。

 クロードたちが別の村に部隊を移動させるとき、シャールは自分も連れて行ってほしいと嘆願する。どうしてもハンクに聞いてみたいことがあるというのだ。部隊の一部はシャールの同行に渋い顔をしたが、クロードはそれを承知。いつになるかは分からないが、自分たちと一緒にいればハンクに逢える可能性は高いだろうと告げる。

 果たしてハンクはどこにいるのか。対峙するときには理性を持ったままのハンクでいるのか。そしてシャールはどんな言葉を彼にかけるのか。シャールの新しい旅が始まろうとしている。
(文=三澤凛)

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング