『サクセス荘』ストーリーもオチも弱すぎる!イケメン俳優が台本をなぞるだけ… 第5回

2019.08.10

 2.5次元舞台で大人気の俳優による本番一発勝負のテレビ演劇『サクセス荘』の第5話「映画でサクセス」がオンエアされた。

第5回 「映画でサクセス」
 都会の片隅にひっそりと佇む一軒のアパート「サクセス荘」。そこには、“ひと旗あげたい”と成功を夢みる若者たちが住んでいて、いつか必ず夢を叶えて巣立っていくという伝説があった…。
 監督のチャップ(定本楓馬)の指示のもと映画を撮影する一同。しかし、ノブ(高野洸)とサー(荒牧慶彦)が演じるキャラクターのイメージが、チャップのイメージとは食い違ってしまいもめてしまう。そして、チャップは家を出ていってしまい…。

 毎回、面白さと物足りなさの間を行ったり来たりしている『サクセス荘』。今回はまた少し物足りなさを感じるストーリーであった。

 今回は監督志望のチャップがメガホンを撮り、住人をキャストに据えての映画撮影中というシチュエーション。しかしこのサクセス荘の中では、住人たちは役者ではないのでチャップの撮影の常識は全く通じないメンバーばかり。特にメインの役どころ(?)であるサーの自由さが、周りもチャップも翻弄していく。

 この番組は、演じているときは、役者そのものを観た方がいいのか、キャラクターを重視したらいいのかが曖昧になることが多い。2.5次元の舞台役者をプッシュする番組なので、サクセス荘に住んでいる住人というキャラクターは、それなりに彼らの魅力に味付けをするためのものなのだろうが、味付けを忘れた料理は全てがぼんやりしてしまう。

 せっかっくチャップの独壇場な舞台なのに彼の見せ場は少なく、監督らしいことをしていたのは、南極料理人を目指すユッキーだ。ユッキーは毎回まとめ役みたいなことを任されているキャラだけど、先週の料理対決でも結局司会だけだったし、このキャラ設定の意味がかすみまくっている。

 英国貴族を目指しているサーは、もうそれ目指してる時点で社会不適合者なのは十分わかるので、今回のように周りを翻弄して好きなようにふるまう役はとても良かった。他のキャラクターはもう、衣装が変わるとそのキャラの特製が失われた、ただのイケメン俳優が台本をなぞるだけの存在となっていた。オチも弱く、結局今回の話は何がしたかったかが分からず、あっという間に終了。台本のせいなのか構成のせいなのか、演出なのか……。

 拗ねたチャップがメンバーに自分の好きなところを一個ずつ言わせるという謎の無茶ぶりシーンがあったが「顔がすき」という意見には大いに納得。確かに顔がいい。それだけでずっと見ていられる。でもそれじゃダメなんだ……。

 次回は即興対決、とこの企画の真価が試されそうなテーマでのストーリーらしい。毎週期待を持って視聴している。期待を上回る驚きを見せてもらいたい。
(文=三澤凛)

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