女優・田中みな実が覚醒する！――ドラマ『ルパンの娘』第5話

■明らかになった秘密

　和馬が美羽のアジトに到着した頃、彼女の盗んできたお宝を奪い取ろうと、華の父・尊（渡部篤郎）も、そこに入り込んでいた。尊が持っていた、てんとう虫3号からの情報で、和馬が捉えられたことを知った華は、悩みながらも「これで最後にする」と誓い、母・悦子（小沢真珠）、祖母・マツ（どんぐり）とともに救出に向かう。

　アジトの中で向かい合う美羽と華。まずは、激しい言葉の応酬、そして激しいアクション。セクシーな衣装に身を包んだ美女が戦う姿は実に見応えがあった。ルックスや演技、セリフ回し、どれをとっても、田中みな実は深田恭子に引けをとっていない。女優として覚醒した感がある。最後、華にムチで打たれ、ソファーに倒れ込むところまで、完璧にキマっていた。

もちろん本職は、フリーアナウンサーということであろうが、またぜひ彼女らしい演技を見てみたいと思わされた。

　こうして、美羽を倒した華は、和馬の元に向かう。一方、和馬は願っていた。
　「来ないでくれ」

　ここに助けに来るということは、華がLの一族であると証明してしまうようなものだ。礼拝堂のステンドグラスの前、まさに和馬は祈るような気持ちであったに違いない。

　しかし、華はやってきた。

　複雑な心境を吐露し、マスクを外す和馬。そこにいたのは、紛れもない、恋人・三雲華だった。

　ジ・エンド。ここで、華は自分がLの一族であると見破られてしまったのだ。

　華の正体が明らかになったところで、物語は大きく動く。これまでは、「恋人に、自分が泥棒だとバレないようにするにはどうしたらいいか」という視点で動いていた華が、「泥棒の一族である自分が、警察官の和馬と愛し合うことができるのか」という気持ちに変わっていくことだろう。

　物語はまだ中盤だ。正直、こんなに早く正体が明らかになるとは思っていなかった。2人の未来にどんな運命が待ち受けているのか。おそらく、これまで以上に切なく、ハラハラするような展開になると予想される。新たなゲスト出演者の登場も含め、期待は高まるばかりだ。

（文＝プレヤード）