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オタクは「早口、唾飛ばし、顔真っ赤」ですぐテンパるのはなぜなのか?演技指導者に聞く!

2019.08.11

■オタクのしゃべり方が「早口」「唾飛ばし」なのはなぜなのか

――オタクのしゃべり方が「早口」「唾飛ばし」的な独特の必死感、切迫感にあふれてしまうのはなぜなのでしょうか。

伊藤 オタクの人たちは、発信と受信が片方に振り切ってしまっている印象はありますね。

 私たちは話したり聞いたりするとき「発信」と「受信」を同時に行っているんです。今私は話すという「発信」をしていますが、話しながら、聞いている人の表情を確認するなど「受信」も自然に行っています。

――確かに聞くときも「聞くだけ」という「受信100%」でなく、同意するときはうなずいたり、表情をつけたりなど聞く側も「発信」の行為をしていますよね。

伊藤 はい。会話の場では発信と受信の矢印が「行き交っている」のが自然な状態なんです。しかしオタクの人たちは発信するときは「発信100%だ!!」とワ―――ッ!! と、相手の反応を伺わずしゃべり倒してしまうところはあるかもしれませんね。

――まさに「早口」「唾飛ばし」な状況ですね。

伊藤 一方、聞くときもオタクの人は相手の話に表情で反応するなどをしないで、ひたすら無表情で聞くだけで内に閉じこもってしまい、話している側からしたら「聞いてるの?」となってしまう傾向もあるかもしれません。

 なお、演劇においてヘタな「話す演技」と「聞く演技」も「発信だけ」もしくは「受信だけ」になっているんです。実際の会話は発信と受信の双方向のはずなのに、どちらかだけに振っているから不自然に見えるんです。演じる側にすれば1つのことだけに集中した方が簡単なのでそうなってしまうんですよね。

――オタクの振る舞いってなぜ演技っぽいのだろう、と長年疑問でしたが「ヘタな演技」とやっているとこが共通していたんですね。

伊藤 オタクの人たちは、オンオフがはっきりしすぎてるとも言えます。「オン」に入ると暴走しているように見えて、怖い、と思われてしまう。

――オタク同士でオタトークをすると、そのお互いが「オン」なハイテンションさが楽しかったりもするんですよね。

 しかし、そうなると「オタ友」同士の一方通行の「オン」同士のコミュニケーション経験を積んだところで、現実の双方向のコミュニケーションの場数を踏んだことにならないため、結局現実と理想のギャップがうまらず緊張し……と悪循環ですね。

 オタクって、0か1、白か黒、躁か鬱など、極端な傾向がありますね。0と1の間の「遊び」がないというか……。
 
 * *

 オタクのライフを削りに削る原稿になったと思うが、いかがだっただろうか。

 死体蹴りになるが、オタクの言動が緊張ゆえに「顔真っ赤、早口、唾飛ばし」になってしまう要因をまとめたい。

・現実のコミュニケーションが苦手で場数を踏めないために、現実はこんなものだ、という足場が弱く、理想と現実のギャップが激しいままになってしまう。
・オタ友同士のコミュニケーションや、SNSなどのコミュニケーションは結局「一方通行」なために双方向コミュニケーションの経験値を詰めない。
・発信、受信100%になってしまい、不自然になる。オンオフ、0か1、白か黒しかなく、「遊び」がない。

 ネットでよく見かける「この人ツイッターだとめっちゃ威勢いいのにリアルだとだんまりだ」の図も、ツイッターなどのSNSのやり取りは一方通行なので威勢よくふるまえるものの、リアルの双方向感は不慣れで、緊張と恐怖のあまりだんまりを決め込んでしまうからなのだろう。

 なお過去にはオタクはなぜ上ずった早口になるのかもボイススクール・アマートムジカさんに聞いているのでこちらも参考にしてほしい。

オタクはなぜ上ずった早口で喋る? ボイストレーナーに聴いた結果、その秘密は「体内」にあった!

 オタクしょんぼりで今回の記事は終わってしまったが、アフターフォローも万全なので安心してほしい。次回は伊藤氏にオタクの課題「緊張」を解くコツについて伺う。

(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])

伊藤丈恭著『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』(アスコム)

伊藤丈恭著者『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』(アスコム)

 

◆石徹白未亜の過去記事はこちら(【おたぽる】【日刊サイゾー】)から◆

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