『Fけん』松井優征が描く名もなき魔性の女…よくも悪くも期待を裏切る異色作!

 今週のジャンプはもう読んだ? 今週は『暗殺教室』の松井優征先生による読み切り『Fけん』がセンターカラー45ページで掲載されている。

【正統派剣道譚!!】と記載されていたページをめくってみると……え!? 正統派?! 剣道……譚??

 弱小だが素朴で良いやつらが集まっていた剣道部が「魔性の女」がマネージャーになったおかげで滅茶苦茶になってしまって……!? 

 という結構トンデモな内容なのだがこの最初から最後まで登場する魔性の女、名前がない。主人公の富士をはじめ、姿も出てこないような脇役にまで名前があるが、出ずっぱりで物語の核であるこの魔性の女には名前が出てこないのだ。ずっと「おまえ」「あの女」「こいつ」「泥棒女」などと呼ばれる。

 そのため実態があるようでない怪しい存在だということが色濃く表れる。これは作戦なのだろうか。話の内容と、今回のオチまでの流れからして連載には向かなそうな内容ではある。彼女がなぜ剣道部をターゲットに、部員をフェティシズムの虜へと改造してしまったのか。読み進めていけば、彼女の言わんとすることも分からなくはないが……。

 ジャンプ漫画の中のちょいエロと、バトルと主人公のヒーロー性など盛り込んではいるが、『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』と描いてきた松井優征先生がただの剣道ものをやるとは誰も思っていなかったろうが、もちろんそうじゃなかった。そういう意味では期待通りであり、過去作品を知らなかった人もカラーページから一ページめくった瞬間に色々と裏切られただろう。

 それでもなんだかんだで最後の「さ、行こ。皆で一緒に興奮しよう」の台詞までたどり着くころにはこの魔性の女の虜にされているのだった。恐ろしい。

 そして今回は合併号ということで連載陣描きおろしの『ジャンプキャラクター大集合 夏の特別番外編』も収録されている。それぞれ1ページのみの描きおろしだが『ONEPIECE』『アクタージュ』『Dr.STONE』『鬼滅の刃』『チェンソーマン』『最後の西遊記』『神緒ゆいは髪を結い』『呪術廻戦』『トーキョー忍スクワッド』『ゆらぎ荘の幽奈さん』『ハイキュー!!』『ふたりの太星』『ブラッククローバー』『僕のヒーローアカデミア』『約束のネバーランド』『ぼくたちは勉強ができない』『ピースチルドレン』『サムライ8』と代表作それぞれの夏らしい番外編が網羅されている。

 コミックスなどにいつ収録されるかなど分からない。このタイミングで逃すといつ読めるか分からないので、ぜひともチェックしよう。
(文=三澤凛)

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