れいわの2人に文句をいったはずが……小野田紀美参議院議員・議員特権暴露の自爆テロでオタクにも見捨てられた件

2019.08.08

小野田紀美オフィシャルサイトより

 我が故郷・大都会岡山からは遠く離れた邑久町(現・瀬戸内市)出身の小野田紀美参議院議員。れいわ新撰組から当選した重度障害を抱えた議員へのケアを「議員特権」と批判したところ、自分が享受している議員特権を暴露する自爆テロをかましてしまい、世間をわかせております。

 乙女ゲー会社で働いていた経歴を持ち、数々のオタクなツイートを投じて世をわかせる小野田議員ですが、SNSの暗黒面に飲まれたかのような迂闊な発言についても、これがはじめてではありません。

 以前も、現・立憲民主党の蓮舫衆議院議員の国籍が問題になった時に重国籍でも立候補して議員になれることを「スパイを送り込み放題の仕様になっています」と発言。自身も指摘されて放棄の手続きを取ったとはいえ、アメリカとの二重国籍だった時期があるわけで、自己紹介乙となのかと勘ぐった方も多かったと記憶しております。

 前のめりな姿勢でのうかつな一言ですべてを台無しにしてしまう悪癖のある小野田議員。その真骨頂を見せてくれたのは、2017年の共謀罪の問題が盛んだった時だと思います。共謀罪の危険性の一つとして、なぜか著作権侵害も入っていたことがありました。ともすれば二次創作の同人サークル活動を行えばテロ等準備罪になってしまいそうな法案。同人関係者が震え上がりましたが、多くの議員の活動で、担当部局から反社会的集団が資金の獲得目的として海賊版を作成した場合が対象というところまでは、押さえ込まれました。

 とはいえ、二次創作のサークル活動が対象外なら問題ないというわけではありません。
共謀罪に反対の声が挙がったのは、児童ポルノ法で単純所持の禁止に反対の声が挙がったのとイコール。自由な言論や表現活動のために、いついかなる形で公権力の介入を招くような恐れはひとつでもないほうがいいことに尽きます。これは政治主張の左右によらない根本原理でしょう。

 ところが小野田議員。オタクでありながら、根本のところを理解しえていなかったようで、二次創作は対象外という担当部局の意図を引き出せたことを全力で喧伝。そこまでならよかったものの、Facebookではうかつな発言まで書いてしまったのです。 

誤解して頂きたくないのは、この法案は「もともと犯罪であることを実行準備行為の段階で防げるようにする」法案であるということです。
犯罪を犯すつもりのない方、やましいことのない方にとっては何も困らない法案です。
レッテルや難癖をつけて一般の方に罪をかぶせるようなものでは決してありませんし、この法案によって国家や警察が一般国民を監視する権限を得るなどというものでもありません。
これからこの法案には相当なネガティブキャンペーンがはられると思いますが、ぜひ、原文や説明資料もご覧になっていただき、日本国民を犯罪から守るために必要な法案であることをご理解頂けますと幸いです。
https://www.facebook.com/OnodaKimi.Okayama/posts/827018840770999/

 児童ポルノ法が制定された時から長きにわたって、多くのマンガ家や編集者、各種の出版関係者などががマンガやアニメだけでなく、所持の禁止を導入するのに反対してきた歴史はなんだったのかと思います。

 とはいえ、Twitterを中心に繰り広げられる小野田議員のオタク発言には親近感があったのか。なぜか批判の声は見られず、今まで持ちこたえてきたわけです。

 しかし、今回の発言には支持してきた一部のオタクな皆さんもドン引きの様子。自ら「議員特権」を享受していることを暴露したのだから当然でしょう。これまで小野田議員に声援を送っていたオタク界隈のアカウントも、ヨイショ記事を書いていた幇間連も、こればかりはだんまりを決め込んでいるようです。

 我が故郷・大都会岡山の人たちは時折「日本のユダヤ」を自称します。民族差別的な意図を持った侮蔑ではなく自称です。元は大宅壮一が岡山県出身者が自ら自称して驚いたとする一文で記されたもの。この呼称を気に入っている出身者は多く、いしいひさいちはマンガの中でも使っていたりします。ようは、機を見るに敏で商才に長けた自分たちのことを、世界の経済界で活躍するユダヤ人になぞらえたというものです。

 その才が小野田議員には幾分か欠けていたのではないでしょうか。生まれたところは、ちょっと離れてはいますが、同じ岡山県出身者として頑張ってもらいたいと思います。

わたしゃ備前の岡山育ち 米のなる木をまだ知らぬ
ア ヨイショ ヨイショ ヨイショ ヨイショ

(文=昼間 たかし)

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