『キャロル&チューズデイ』なぜ人は歌うのか? 歌える喜びと歌うことの本当の意味を問われたとき彼女たちは答えは?

 全世界の音楽を愛する人に捧げる、2人の少女が起こした奇跡の物語『キャロル&チューズデイ』。15話「God Only Knows」がオンエアされた

 広まっていくキャロル&チューズデイのデビュー曲「Army Of Two」。そこに孤高のリビングレジェンドとして知られるアーティスト・デズモンドから招待状が届く。ロディがセレクトしたデズモンドの曲を聞きながら夢を語り合う2人。そして、屋敷を訪れたキャロルとチューズデイは、デズモンドから自分たちが招かれた理由を聞く。その頃、大統領を目指すチューズデイの母、ヴァレリー・シモンズは、現大統領との討論会を行っていた。

 どんどんキャロル&チューズデイの曲が世界にシェアされていく。現実世界でも作中で歌われた楽曲が集められたアルバムが発売され、各サブスクでも配信が開始されている。もちろん彼女たちの曲だけでなくアーティガンやアンジェラの曲も聴けるので、アニメを見ているなかで気になった曲があった人はチェックしてみるといいだろう。

 デビュー曲がシェアされ多くの人に聞かれても、ふたりの生活に大きな変化はない。いままで通り安アパートにふたりで暮らし、コインランドリーに通う。しかし目の前で偉大なアーティストたちの歌声を聞いたり、実際にレコーディングを行うなどをするうちに、アーティストとして大切なものを手探りながら感じ取っていく。

 進みはいつもスローペースだが、物事は二人のスピードよりも速く彼女たちを迎えにくる。彼女たちの音楽を聴いて高名なアーティスト・デズモンドから招待状が届いたのもそのひとつだ。

 吸血鬼のように、日の光が当たると消えてしまうなどといった都市伝説まがいのウワサが後を絶たないデズモンド。彼のウワサは大半は嘘に過ぎないが、『両性具有』なのだけは本当なのだという。元々は男性だったが、ゆっくりと変化していっているのだという。人は胎児の初期には性別がない。だから自分は元に戻っていっているだけだと、彼は穏やかにふたりに告げるのだった。

 植物園のような場所で、話相手は植物とAIだけ。そんな中で彼は歌を歌い続けてきた。元々は好きだった男性のため。彼が亡くなってからは彼を思って。そんなデズモンドはキャロル&チューズデイのふたりにこう質問する。

「なぜ人は歌うんだと思う?」

 単純だが難解な質問にキャロル&チューズデイのふたりは「気持ちを表現するため?」と答える。デズモンドも亡くなった彼のことだけを歌ってきており、その想いが本物であるからそれを聞いて共感した人が音楽を受け取ってくれていることを真摯な言葉で伝える。そして自分は間もなくこの体か解き放たれ、歌を歌えなくなることを告げた。自分がいなくなった後も歌を届けることをつなげていってほしい、それをふたりに託すための招待だったのだ。

 ラストにデズモンドの歌声が響く。正真正銘ラストの歌唱。愛していた彼への愛と思いが詰まった歌。キャロル・チューズデイ・ガス・ロディそしてデズモンドのAI。歌が終わった後、彼は柔らかな表情で眠り続けた。

 デズモンドの問いかけである「何のために歌うのか」そしてその歌声と話しの中で現れた「歌える喜びと歌うことの本当の意味」。まだまだそのさわりの部分に触れただけだったがこの出会いによってふたりの歌がさらに変わっていくことだけは確かなものになった。

 この経験を経て彼女たちはどんな歌を作るのだろうか?「このままでいたい」と願ったチューズデイと、「1番になる」と願ったキャロル。彼女たちの願いは、歌はいったい誰に届くのだろうか。
(文=三澤凛)

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