映画『シン・ウルトラマン』制作にファン沸くも、懸念はやはり……庵野秀明に、あの“フラグ”

2019.08.01

 2021年公開予定の映画『シン・ウルトラマン』の制作が発表された。興行収入82.5億円の大ヒット作となった『シン・ゴジラ』(2016)の庵野秀明が企画・脚本を、樋口真嗣が監督を務めるという。

 1966年7月より放送された『ウルトラマン』以来、50年以上にわたり巨大ヒーローを世に送り出し、子供から大人まで幅広い世代に愛され続けてきた「ウルトラマンシリーズ」。その原点である初代『ウルトラマン』をベースに描く『シン・ウルトラマン』では、現代社会を舞台に“未だ誰も見たことのないウルトラマン”が存在する世界の体験と、初めて『ウルトラマン』を観た当時と同様の衝撃を観客にもたらすことを目指すという。ウルトラマンに変身する主人公を斎藤工、主人公の相棒役を長澤まさみが演じるほか、西島秀俊などメインキャストも明らかになった。

 ネット上でもさまざまな反響を呼んでおり、その中で多くみられるのが、『ウルトラシリーズ』の大ファンであることを公言している庵野への期待の声だ。庵野は大阪芸術大学時代に『ウルトラマン』の8ミリ映画を自主制作し、自主製作映画グループ「DAICON FILM」で製作した『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』では総監督を務めた傍ら、自ら顔出しのウルトラマン役で出演。『新世紀エヴァンゲリオン』には、『ウルトラマン』から影響を受けたであろう展開や演出があちこちにみられる。

 そんな庵野は以前、インタビューで「『ウルトラマン』という作品があまりにも完成されていて、それと並べられる作品じゃないと作る意味がないので、僕の中でのハードルが高すぎるんです」「学生の時の勢いなら作れるでしょうけど(笑)、新しい何かを見つけられるといいんですが、なかなか手が出せないですね」と語っていた。

『シン・ゴジラ』公開時のインタビューで、映画プロデューサーで東宝映画の社長を務める市川南氏が「庵野さんはゴジラはそこまでのめりこまなかったらしく、そこもよかったのかもしれないですね」と、映画の成功の背景を語っているところをみると、庵野の“ウルトラマン愛”がどのように作用するかが、映画成功へのポイントとなるかもしれない。

 一方で、庵野には懸念の声も上がっている。というのも、先日総監督を務める『エヴァンゲリオン新劇場版』シリーズの完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開が2020年6月に決まったことがようやく明かされたばかり。庵野が代表を務める映像製作会社「株式会社カラー」の発表によれば、脚本検討稿は2019年2月5日に脱稿。庵野は2020年6月の公開が決定した『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の完成後、樋口組に本格的に合流する予定だというが、新作の製作が明かされてから早7年が過ぎ、その間ずっと待たされてきたファンは、それを受けてもなお、「エヴァもあるのに大丈夫なのか?」「またエヴァ延期フラグか」「おい庵野まじで頼むぞ」「どうか、どうか先にエヴァを!!!」と、不安はぬぐえないようす。

「『エヴァ完成させたらウルトラマンの完全新作撮ってもいいよ!』って誰かが説得したんじゃないか」という臆測の声まで上がっている庵野だが、ファンの期待に応えることはできるだろうか……。

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