『ヴィンランド・サガ』第4話 トールズ最強伝説!! リーダーとしての資質をすべて持つ彼が下した結論とは…

2019.07.29

 NHKで放送され、さらにはAmazonプライム・ビデオにて世界配信も決定している『ヴィンランド・サガ』の第4話がオンエアされた。

4話『本当の戦士』

 アシェラッド兵団の罠にかかり、絶望的な危機に陥ったトールズ達だが、トールズの圧倒的な強さの前に為す術なく兵団員達は倒れてゆく。

 しかし、平和な村で生きてきた村人達と幼い息子・トルフィンが背後にいる以上、全員助かる事が困難であると、トールズはわかっていた。そこでトールズはある決断をする。

 7月7日の3話一挙放送から、中2週あけて4話がオンエア。放送期間があいたことで若干熱が冷めてしまった人もいたかもしれない。だが、この4話はその熱を取り戻すのに十分すぎる出来栄えだった。

 奇襲され、自分たちの何倍もの人数に囲まれる一行。しかし、絶体絶命にも思われたが、ここでトールズが魅せる。全く怯むことなく素手で、武装した敵を次々になぎ倒していく。役者が違い過ぎてちょっと笑ってしまう。こんなのが敵としてやってきたら怖すぎるが、仲間だったらこれほど頼りになる人もいないだろう。

 だが、いかにトールズが強かったとしても、幼い息子と素人同然の仲間たちを守りながら戦うには限度がある。その予想通り、首領を追い詰めたものの、失神していた敵のひとりが起きるや否や、息子のトルフィンを人質にとる。一気に緊張感が増し、形勢逆転の芽が出てきた。

 これまでトールズという人間が誇示した、強さ、聡明さ、リーダーシップは圧倒的なものだった。それこそ今回対峙した敵たちがそれを一番実感したはずだ。そんな彼が下した決断は、

 この戦いの勝者は自分であることをその場の全員に認めさせ、さらに絶対に仲間には手を出さないことを条件に自分の命を差し出す。

 どこまでもリーダーで、父で、最強の戦士のものだった。同じ戦士ならば、この約束を破るなんて野暮なことはできないだろう。本当になんてかっこいいんだ。まるで武蔵坊弁慶のように無数の矢を受けて立ちはだかる姿は圧巻。矢が刺さっていくのがありありとわかる描写も、生々しく迫力が段違いだった。

 しかしトルフィンにすれば、たまったものではない。自分が、捕まったことが原因で父が目の前で惨殺される。これを超える拷問はそうないだろう。

 だが死の直後は泣きじゃくっていたのにも関わらず、徐々に怒りの炎が燃え上がっていく。恨み言を口に出し、周囲に悪態をつきまくり始めるトルフィン。その辺りから子どもらしかった表情が一変し、大人も息をのむような目つきにかわる。

 そしてナイフを握りしめながら、父を殺した一団の船に忍び込んだ。しかし、人を殺した経験はおろか、武器を持ったことすら今までなかったような子どもが百戦錬磨の戦士に敵うはずがない。いったトルフィンはどうなるのか……。

 作画クオリティは最高レベル。毎週このクオリティで鑑賞できるのかと思うとワクワクしてしまう。重たい話が続くだろうが、放映日を楽しみに待ちたい。

(文=三澤凛)

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