先週の「週刊新潮」(新潮社)に掲載されたマンガ界の大御所。松本零士氏に降りかかった無断販売をめぐるトラブルがじわじわと話題になっている。
この騒動はアニメーターの湖川友謙氏が、自作のメーテルイラストをネットオークションなどで販売し、松本氏が激怒しているというものだ。湖川氏は劇場アニメ『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(1978年)では、総作画監督とキャラクター設定を努めるなど、松本作品にも数多く参加。このほか『伝説巨神イデオン』以降『重戦機エルガイム』まで富野由悠季作品でハイレベルな作画を担当したスゴ腕のアニメーターだ。近年でも、2015年から放送された『ルパン三世』第4シリーズの作画監督を務めるなど、今なお現役で活躍するアニメ界のレジェンドである。
そんなアニメーターが松本氏に無断でイラストを販売したことについては、生活に困っていたなどさまざまな噂が飛び交っている。だが、この騒動が話題になっているのは、まったく別のベクトルからである。
仕事で携わっていたとはいえ、湖川氏がやったことは自分でメーテルのイラストを描いて販売するというもの。そう、コミケなど同人誌界隈では当たり前に行われていることなのである。
同人誌即売会ではアニメーターによるサークルが「作画監督修正集」というものを頒布することがよくある。これは作品のファンにとっては垂涎の同人誌。ただ、よくよく考えると仕事の成果物を、勝手に同人誌にして売っているのである。会社内でどういうやりとりが行われているのかは不明だが、原作者がクレームを入れたら、たちまちアウトになりそうだ。
湖川氏にも同様に、自分の描いたイラストだから構わないと考えたことは容易に想像ができる。ゆえに、この問題が大きく取り上げられれば「作画監督修正集」にも影響があるのではと、多くのアニメーターや関係者は戦々恐々としているのである。
松本氏といえば、自作の著作権にうるさいとみる向きもあるが、ちゃんとお願いすれば版権の許諾を与えてくれる優しい面もあることは知られている。湖川氏も一言いっておけば、こんなことにはならなかったのでは?
(文=特別取材班)
松本零士の著作権トラブルで戦々恐々とするサークルも 作画監督修正集はグレーじゃなくてアウトのページです。おたぽるは、騒動・話題、マンガ&ラノベ、同人、銀河鉄道999、松本零士、著作権の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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