『あんさんぶるスターズ!』キャラの描写が薄すぎる? 多数キャラコンテンツの弊害 第3話レビュー

2019.07.23

 ファン待望の大人気乙女ゲームのアニメ化! 『あんさんぶるスターズ!』第3話がオンエアされた。

第3話 『決行』
 悲劇の【S2】から1週間後、夢ノ咲学院はますます生徒会の勢力に支配されていた。『Trickstar』のメンバーは個人練習を終えてようやく全員が揃い、『紅月』と対決する【S1】に向けてのユニット練習を始めるのだった。4人は学院のアイドルたちと触れ合いながら、多くの者がそれぞれの事情や想いを抱えていることをしる。彼らに賛同する者、否定する者、彼ら自身も迷いや苦悩を抱える中、ついに【S1】の幕が開く。

 学校の中でここまで生徒会が力を持つ学校って、現実でもあるのだろうか。奇しくも3話放送当日が選挙日だったこともあり、生徒会などトップが間違って権力を持つことの怖さを考えさせられる。教師どこいった。

 生徒会の仕事もひと段落したらしく、ずっと練習に参加できなかった真緒が復帰。今までの出番の少なさを取り戻すかのように、今日はたくさんしゃべる。生徒会にも参加をしているからか、目の前でぼろくそに悪の団体のように言われる様を見てしまうと顔が曇る。しかし彼もTrickstarの一員であることから、そちらのメンバーの想いも分かるという板挟みのような状態だ。

 しかし生徒会副会長を擁する紅月のメンバー紅郎は、現在の学院の状況に納得していないという。いくら生徒会メンバーと近しい立場にいるとしても、やはりそれとこれとは別というか、自分以外の外部の人間にどうにかしてもらいたいという気持ちがあるのだろうか。

 公式HPのキャラ表を観てみるとみんな部活にも入っているようだ。アイドル活動だけでかなりの時間使ってそうだから、部活の時間なんてなさそうだ。そこに生徒会までやってるメンバーってどうしてるのだろう。アニメに関係ないかもしれないが、オーバーワーク過ぎて心配になってしまう。

 さて、先週から登場していた朔間零。ぴっちぴちの高校生なのに、自分のことを年寄り呼ばわりする不思議君が語る学園の過去。現在の三貴人ではなく、かつて五貴人と呼ばれており、その時代には無秩序で荒廃した学院だったのを生徒会が取り仕切ってくれた。そのおかげで平和が戻ったものの、規律に厳しい鉄の風紀で縛られた息苦しい学び舎になったとのこと。

 彼は1年留学していたとのことだから、どんなに長くても4年前……年寄りの昔話というには最近の出来事すぎるぞ。学校も生徒会とか学年の雰囲気でだいぶ変るものではあるが、この年寄りキャラは無理がありすぎるような。 

 腐敗のきっかけと、現在の生徒会がそれだけ厳しくする理由の一端を作ってしまったという責任を自覚しているからこそ、それを打破するための手としてTrickstarにも協力してくれているようだ

 登場人物が多いと、全員に平等な出番を作るのは難しい。今回出てきたキャラクターの瀬名泉。真と過去にグラビアモデルをやっていたといことなのだが、彼にパワハラまがいの言葉を浴びせかけるシーンが映された。彼本人にも何かストーリーがあるだろうが、今回のこの出番では滅茶苦茶感じの悪い悪役キャラにしか見えずもったいなかった。掘り下げがあるからこそのこの出方だと信じたい。

 そしていよいよ、【S1】がスタートする。UNDEADのゲリラライブから始まり波乱の幕開けとなったS1でTrickstarは一体どんなパフォーマンスをみせてくれるのか。

 今週からヒロインがやっと名前で呼ばれるようになった。ずっと「転校生」って呼ばれてたので気になっていた。

 そしてやはりEDが毎回変わる。今回はライブパートもあったUDEAD。ライブパートといいつつあれはPVであった。あんなライブがあった、金がいくらあっても足りない。などと現実の目線でつい突っ込みを入れたくなるが、あんスタの世界観にもっと浸って観れたら楽しいのだろう。来週はもっと没頭しながら見ようと思う。
(文=三澤凛)

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