第3話レビュー

『わたし旦那をシェアしてた』肉体関係無しで6年も内縁の妻に?設定破綻にただ視聴者は困惑

2019.07.19

 パワフルファイティングミステリードラマ『わたし旦那をシェアしてた』の第3話がオンエアされた。

第3話
 入居希望の女性・絵里(松井玲奈)がシングシングハウスにやってくる。彼女は、恭平(平山浩行)の妻だと名乗り、彼の子を妊娠しているという。第4の妻の出現に、晴美(小池栄子)、加奈子(りょう)、茜(岡本玲)は動揺。絵里は、すぐにシングシングハウスでの暮らしに溶け込む。
 一方、晴美は、恭平に一番愛されてはいなかったのだと思い、シングシングハウスを出ていくと言い出す。そして、文江(夏木マリ)が “この中から1人、追放者を決める投票をする”という課題を言い渡すが…。

 先週、みんなの内縁の夫・天谷恭平がなぜシェアハウスを作ったのかということに3人一緒に答え見つけいい感じに締まったと思ったら、またもや問題勃発! なんと天谷恭平の4人目の妻と言い張る女が現れたのだ。

 怪しさ満々のこの4人目の女、絵里はみんなより一回り程度若く、可愛らしく、料理も上手で子供の扱いも上手く、そして何より天谷恭平の子供を妊娠していた。

 「主人から皆さんの話は聞いています」と彼女たちの状況を知ってなお自信を持っての名のり出たというのだ。母子手帳に記載されていた「父親」名義の部分は天谷恭平直筆とみられる文字もあり、3人の内縁の妻たちは厳しい状況に追い込まれる。

 このドラマ、設定も面白いしキャラクターもいいんだけどいかんせん脚本が悪い。今回の4人目の妻はもちろんフェイク。しかし早い段階でバレバレであり、それなのにみんなやたらと騙されて小競り合いを起こすのだ。

 お前ら、先週恭平がこのシングルマザーシェアハウスを作った理由に3人で同意したろ。それなのに、ここで晴美を疑うのはおかしいだろう、というところで彼女を追い詰める。

 主人公である晴美を追い詰めて、そこからの挽回という流れは確かに美しい。しかし、無意味な糾弾や先週までの流れを無視するのはいかがなものだろうか。小池栄子が変に糾弾されすぎていると、あの2人が裏で結託しているようにしか見えなくなってしまう。

 それに、設定ゆるゆるな裏サイトを運営し、天谷恭平殺しの実行犯の森とか、簡単に捕まりそうに思える。なんかPCに詳しいハッカーみたいなのがいるが、あんなにバカっぽくていいのか……。車も決まったのに乗っているし、定宿もありそうだから結構簡単では……。繋がってる警察もいるんだし。松田が警察にいけば一件落着のはず。彼の葛藤が描かれるが、あれだけ恭平が殺されたことに傷ついた女性たちを前にして、どのツラさげているんだ。 

 そして管理人の染谷の横暴さにも話の設定上逆らえないでいるけれど、あんな脅迫じみたことを言われたら普通に訴えて勝てそうだ。ドラマでそれを言ったらおしまいだよ、ということばかり述べてしまったが、しっかりと自立したシングルマザーの女性たちが「話の都合」という鎖にしばられ、思考能力がないような行動ばかりとらされることへの違和感がどうしてもぬぐえない。

 そして今回の恭平が残したウソが衝撃的だった。このウソが発覚したことによって4人目の妻が偽物であることが判明したのだが……これまた突飛な……。

 天谷恭平は性機能障害で無精子症だったことが発覚した。それゆえ、内縁の妻たちは6年、5年、4年と彼と交際を続けていたが一度も彼とそういった関係になることはなかったという。それゆえに妊娠などありえないというのだ。(あの母子手帳の文字は結局なんだったんだ)

 セックスレスが離婚の原因にもなりうる中で、全員が3年以上の交際を続けられるってすごくないか? どんだけいい男だったんだよ、天谷恭平。

 毎週刺客がシングルマザーシェアハウスにやってくることで事件が進むこのドラマ。面白いのに納得がいかないこのモヤモヤ感を吹き飛ばすような展開が今後まっていることを期待したい。
(文=三澤凛)

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