華山みおの物語探索 その64

『Diner ダイナー』圧倒的な映像美や蜷川幸雄のカメオ出演など見所たくさんだが、一番は窪田正孝のバッキバキな腹筋!?

 映像化不可能と言われた衝撃の小説が待望の実写映画化! 今回は藤原竜也さん主演・蜷川実花監督の映画『Diner ダイナー』をレビューします。

 ここは、殺し屋専用のダイナーだ。皿の置き方一つで消されることもある。一人ぼっちで人生どん底…ほんの出来心で怪しいサイトのバイトに手を出したばかりに、一瞬で普通の生活から転落したオオバカナコは、とあるダイナーにウェイトレスとして売られる羽目になってしまった。
 そこは、要塞のような分厚い鉄扉の奥に広がる、カラフルで強烈な色彩美を放つ店内。店主と名乗る男は、元殺し屋で天才シェフのボンベロ。「ここは、殺し屋専用のダイナーだ。皿の置き方一つで消されることもある」次々と現れる一筋縄ではいかない凶悪な殺し屋たち。毎日が極限状態の最高にブッとんでいる世界に放り込まれたカナコ。物語は、一瞬たりとも目が離せない展開へと加速していく…。

 「俺はここの王だ」という独特の節回しでの台詞のCMが、かなりのインパクトを与えたこの映画。数か月前から予告で何度も観ていたのですが、正直観に行くかどうか悩んでいた映画でした。日本のちょっと異色系の映画って、ダダ滑りしている印象が強かったので、観た後に白けた気持ちになるのが嫌だなぁという気持ちと、そう予感させるような「俺はここの王だ」の台詞回しに気後れしていたのです。

 そんなわけで公開してからも悩んでいたのですが、観に行こうと思ったきっかけは藤原竜也さんの恩師・蜷川幸雄さんが、藤原さん演じるボンベロをスカウトした組織のトップデル・モニコとしてカメオ出演しており、まるでその師弟関係を思わせるセリフが出てくるというのを小耳に挟んだからです。

 さて、不安と期待半々だった『Diner』ですが、あれ!? 思ったよりも面白かったぞ!?

 最初のシーンから蜷川実花ワールド全開! 色彩豊かでどこか舞台の群像劇っぽいシーンから始まります。その画面の美麗さに目を奪われすぎて、玉城ティナ演じるオオバカナコのモノローグが全然頭に入ってこなかったけれど、後ろのモブの一糸乱れぬ動きとモノトーンとブルーの色合いが不気味な感じで最高でした。

 ひとつひとつの美術や演出に【美】が詰まっていて、画面のどこを見ても美しい。終始画面にうつる玉城ティナ演じるオオバカナコのビジュアルも、圧倒的な美しさが手伝ってうっとりするストーリーのある美術映像のようでした。

 世界観としてはファンタジー色が強く、殺し屋がそんなに派手じゃダメだろうという気持ちが湧いてこないわけではありません。でも「砂糖の一粒までもが俺に従う」という大言壮語に沿うようなシーンは無かったし、食事もメイン料理はハンバーガーだったりで、料理のシーンは思ったよりも少なめです(でもスフレは美味しそうだった)。出てくる殺し屋がビジュアルに凝りすぎたのと、仲のいい役者さんを着飾りたかった感が大きいメンバーが多く(特にマテバ、マリア、ディーディー、カウボーイ)それならもう少し各キャラを掘り下げたほうが物語がすっきりするのでは、と感じた部分もありました。でも、見せ場のあるキャラクターについてはそのビジュアルと彼らの異常性が相まって、魅力的に仕上がっていました。

 特に素敵だったのは蜷川実花さんの思い入れが一番強かったという窪田正孝さん演じるスキンです。完璧なスフレを求めてダイナーにやってくるスキンの不安定さと、カナコへの紳士的な態度、あることがきっかけで安定性を欠いたときの凶悪さがたまらなく魅力的でした。あと何よりも窪田正孝さんの腹筋!!!!! この腹筋がほんっとやばかった。もっと前から服はだけておいてよー! もっとアップで映してよー!! というくらいいい体してました。まじでこの映画の中で一番美味しそうに見えたのは窪田さんの腹筋です。

 気になっていた蜷川幸雄さんのカメオ出演。「俺を見つけて育ててくれたのはデルモニコです」という台詞を言うシーンのとき、同じカメラにデルモニコこと蜷川幸雄さんの肖像画が映りこんでいるところにグッときました。こういう演出が出来るのは娘である蜷川実花さんでないと出来ないことですよね。

 マトリックスのような銃撃シーンや、シリアスに真剣にやっているからこそどこか笑いになってしまうようなシーンも多くあったのですが、堂々と自分の世界観を表現する気持ちよさを存分に観れた映画でした。

 映画館でこの作品を観るとこの世界観を文字通り”浴びている”ような感覚に浸れます。眩しいくらいの色彩と酔うほどの煌びやかさ。日常では感じられない蜷川実花の世界にぜひ飛び込んでもらいたいです。
(文=華山みお)

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