『ギヴン』声優交代は吉と出るか?ノイタミナ初となるBLはいかに?

2019.07.14

 ノイタミナ初となるBL漫画が原作の青春群像バンドストーリー『ギヴン』。第1話がオンエアされた。

# 01『Boys in the Band』
 上ノ山立夏は、ある日の昼休み、踊り場で眠る佐藤真冬と出会う。
 ギターを直して以来、弾き方を教えてほしいと付きまとわれるようになった立夏だったが、真冬のその一途な想いは立夏にとって、どこか冷めてしまっていた音楽への情熱を思い出させるものだった。

 元々そんなにBL作品に明るくない筆者だが、『ギヴン』という作品タイトルだけは耳にしたことがあった。それだけ多くの人に届くほどの名作で、愛される作品なのだろう。

 BL作品というと、女性が全く出てこずTLも真っ青な突然の激しめのラブシーンが繰り広げられるものというイメージが強くあった。名作を数々打ち出すノイタミナから、BL原作のアニメが放送されると聞いたときは正直以外だったが、1話を観て放送される理由がおぼろげながら理解できた。

 「音楽」が物語の重要な部分を担っているだけあってか、1話の中で主人公が組んでいるバンドのセッションが始まったとき、つい演奏に心が奪われてしまった。シーンの時間もたっぷりと取られており、飾りのように音楽を使うつもりがないことがよく分かった。今後ボーカルとなる真冬の歌声が入ったらどうなるのだろうかと、期待せずにはいられない。

 ギターのことを何も知らなかった真冬が、上ノ山と出会ったことでその音楽に強烈に惹かれ、懐いたところから始まる恋。現段階ではBLっぽさというのも特になく、一般的な青春物語が始まろうとしているように感じたが、今後そういった恋愛的な流れになっていくのだろうか。

 キャラクターも魅力的だったのが印象的。主役の上ノ山が、見た目はちょっと怖そうなのに実はものすごくいい奴だ。一気に好感度が上がる。ひとつのことに没頭してメキメキと腕をあげていく様や、その反動のようにふっと興味をなくすような、思春期特有のモロさみたいな部分も感じられた。そんな彼がつかみどころのない真冬に振り回されて、どう変化していくのだろう。

 上ノ山のバンドメンバーである中山・梶もまだ少ししか出番がなかったが、気になるキャラクターだ。まだ出ていないメンバーも含め各キャラクターの魅力にも注目していきたい。

 元々ドラマCDなどで展開されていたようで、アニメ化にあたり声優変更があったようだ。声優の変更によって離れてしまうファンもいたかもしいれないが、ぜひ絵と音楽のしっかりしたアニメとしてのギヴンの再出発も、受け入れられることを願いたい。

 まだまだ物語は始まったばかり。BL的展開はもちろん、物語の面白さにも期待しながら観ることにしたい。
(文=三澤凛)

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