そして、想いが詰まった栄喜プロデュースのアパレルについて、講談社に打ち合わせに行った際、「ヨダレが出そうになった」と栄喜がブログに書いていた事について聞かれると、「イラストの素材が、パソコンで見られるデータではなく、ポジ(スライドの写真フィルム)だったんですよ。『この中から選んで下さい』と言われて、1枚1枚見たのですが、実は今思い返すと、あの絵がよかったと思ったりもするんです。いいなと思ったポジをケースから抜いて置いておくのが失礼な気がして、覚えておこうと思ったけど、緊張して、嬉しくて、頭からすっ飛んで、結局、数枚しか選べなかったんです。本当は、もっとあったんですよ」と制作の裏話を語った。
この日のトークショーでは、登壇者がそれぞれ選んだ『ホワッツマイケル』アパレルを着用。栄喜が着ていたのは、マイケルがいたずらをして切り裂いたかのようなダメージから、ちょこんと覗くマイケルがかわいらしい「マイケル スラッシュ Tシャツ」だ。これについて栄喜が、「昨日、うちの猫に首のところを、ざーっと引っ掻かれまして、そのままざーって(笑)」と選んだ理由を話すと、「俺もヒゲを生やす切っ掛けになったのが、飼い猫に引っ掻かれたからなんです。そこだけヒゲを剃れなくて、しばらくして伸びたら、誰かが「似合う」とおだてたものだから、「ヒゲでいこう」と思いました。二十歳くらいの時ですね」と小林も自身のヒゲの秘密を明かした。
一方で、マイケルの線画を人気のリンガーTシャツに落とし込んだ「マイケル シークレット Tシャツ」に、襟と胸元のワンポイント刺繍でシンプルに着られる「マイケル シルエット シャツ」を羽織っていた小林は、アパレルブランドとのコラボレーションについて聞かれると、「出版社で、よく読者プレゼントなどでこういうのを作る事があったのですが、デザインがダサいんですよ。やっぱりちゃんとしたデザナーさんや栄喜さんが関わっていると、すごくあか抜けていて、とても気に入っています」と今回のアイテムのデザインに太鼓判を押した。
2人のトークは盛り上がり、作品についての話題に移ると、栄喜は気に入っている話に、赤ちゃん猫に飼い主を取られてしまい、何をやっても飼い主の関心を自分に向ける事ができなかったマイケルが、最終的に赤ちゃん猫を認め、出産祝いにネズミとヘビを送る話を挙げ、「あれ、ホントにあるじゃないですか」と、知り合いの猫が飼い主のベッドにネズミの死骸を置いていたエピソードを披露し、「ありがとうって感じなんでしょうね」と話す。「『ホワッツマイケル』は、猫が猫らしいからいいんですよね。本当に、“猫のあるある“で、猫を飼っている人が「そうだな」とほっこりする感じがいいんです」と栄喜。
他方、小林は連載当時を振り返り、「『ホワッツマイケル』は何か意図があって描きはじめたマンガではないんです。その前に描いていたマンガで、猫をちょこっと描いたら、編集長がそれを見て、これでいけという事になってしまって。しかも、勘違いをして、連載ではなく、もう1回出せくらいの話だと思ったので、1話目からマイケルが死んでいるんですよね。あれでもう、続ける気がないのが分かってしまう。いかに適当にやっているか(笑)。名前も、連載のつもりじゃなかったので、ちょうどマイケル・ジャクソンの曲が流れていたから、マイケルって付けたんです」と語る。
そして、「毎回、読むたびに新鮮」と毎回設定が異なる1話完結型の展開についてSHUNが質問を投げると、「当時の時代背景でいうと、好きなペットランキングで猫は3位だったので、あまり情報自体がないうえ、適当に始めた連載だったので、手本がないんですよ。こうしたいというイメージがない所から始まっているから、もう毎回手探りですよ。設定がないから、よく言えば何でも描けるけど、悪く言うと、毎回地獄でした」と産みの苦しみも明かした。
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