どっちにしろ大人の特撮オタクは地獄だと思う――特撮おじさんの“間借り発言”に、元特撮俳優オタが思うこと

 そう、特撮俳優を追っていたオタクあるあるに「現場でヤバい人にぶち当たる」というものがあります。

 謎の独り言を唱えているような謎のおじさんもいれば、私個人の経験として、、『烈車戦隊トッキュウジャー』が終わって数カ月後くらいに推しが出ていた舞台があり、銀河劇場のロビーを歩いていたら缶バッジをじゃらじゃらつけた私のカバンを見たおじさんが「すみません、それひとつ譲ってもらえませんか?」と言ってきてキレてしまいそうになったこともあります。集めてるの、見たらわかるやろが。何で譲ってもらえると思ったんだ。

 その中でも私とAちゃんが一番「ヤバい」と同意見になったのが「サインおじさん」の存在です。特撮固有の文化なのかは知りませんが、私は特撮関連現場でしか見たことがありません。

「サインおじさん」は、楽屋口や会場周辺にたむろし、演者にサインを求め、そしてなぜか俳優オタクである我々にサインの存在を自慢してきます。いや……知らんし。何でオタクにマウント取ってくるんだ。

 サインおじさんは「○○(俳優)からファンサもらっちゃってさ~」などのマウンティングをこちらにしてくるのですが、俳優個人を応援しているわけでもないおじさんにあれこれ自慢されても、同じオタクというくくりでもないので、ハァそうですかという感情にしかなりません。

 特撮現場に通っていると、オタク同士で喧嘩したり最前列を占拠したり揉めているのは全員女のオタクなので、もしかすると今回炎上した「特撮おじさん」はヒーローショーの現場に来たことがないのかもしれません。大の大人の女が、若手俳優からのファンサをめぐってGロッソで泣き崩れている光景は地獄。泣くまで馬鹿にされなくても、普通に推し被りにファンサをかっさらわれると泣くので、大丈夫です。

(文=めりぴょん/山野萌絵)

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