『荒ぶる季節の乙女どもよ。』下ネタで頭がいっぱいなのは女子高生も同じ! 性に振り回されるJKアニメが面白い!

2019.07.08

 【性】に振り回される女子高生たちの物語『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の第1話がオンエアされた。

第1話「豚汁の味」
 小野寺和紗は、所属している文芸部で他の部員たちと本の朗読をしていた。今まで読んできた作品とは全く違う大人な世界に戸惑う和紗。
 そんなある日の昼休み、一同は部長のり香から好きな作家の新作情報を聞く。作品の話題で盛り上がる中、新菜が口を開く。
「私が死ぬまでにしたい事は……」

 どんな感じだろう、絵がかわいいなという程度の気持ちで見始めた今作。しかしこれは当たりアニメな予感がする。

 文芸部って朗読しあうのか……という衝撃と共に内容が官能小説(純文学?)だったことをきっかけに、【性】について意識してしまうようになった文芸部の面々。さらにみんなが大好きな作家の新刊が、「死ぬまでにしたい10の事」的なテーマで新刊を出すことから発展した会話の中で、新菜が一言「セックス」と言ったことで文芸部の面々の意識は加速の一途をたどる。

 関係のない言葉も、街中の看板もあれもこれも全部いかがわしい単語に強引に結び付けていく。文学部の面々が集まっていて『走れメロス』の話をしていても、『走れエロス』と聴こえちゃうよね! と騒ぐ始末。

 こんなこと考えてるの、思春期男子だけかと思いきや、女子もたいがいそんなもんなのだ。大人になれば女性のほうがえげつなく語る下ネタも、JKくらいだと口に出すのが恥ずかしかったりする。特に陰キャ系女子ともなるとハードルが高い。

 文学部の面々、それぞれがちょっと暗めの子でだけどそれぞれキャラのベクトルが違うのも面白い。主人公の平凡女子・和紗、ミステリアスな美少女・新菜、おとなしめの百々子、作家オーラを醸し出すひと葉、潔癖症なお局様系り香。

 彼女たちがそれぞれに【性】に振り回されていく様描かれるようだが、初回は主人公の和紗が【性】を意識し始めたところに、幼馴染のイケメン泉のとあるシーンを目撃してしまう。

 まだ実態のわからない【性】の象徴的なシーンをよりにもよって幼馴染のを見てしまうのは衝撃的すぎるだろう。そしてみられた泉の心の傷がやばそうである。何事もなかったかのようにしようとする泉が、いたたまれなくて辛い。「無理だよ、あんなの入らないよ……」と泣きそうになりながらも、想像ばかりが膨らむ和紗は次に泉に逢ったときどんな反応をするのか。

 他の部活の面々はどんな風に【性】と対峙するのだろうか。和紗以上の対峙の仕方なんてあるのだろうか。

 ちなみにサブタイトルの「豚汁の味」は文芸部の中だけの隠語のようだ。来週以降のサブタイトルもそういう感じになるだろうか。それも楽しみである。

 来週以降の展開がいまのところ今期で一番楽しみなアニメとなった。続きに期待だ。
(文=三澤凛)

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