『スーサイドライン』(naked ape)人の死が見えるイケメン刑事の物語がけっこう鬱…醜と美の対比がすばらしいクライムサスペンス!

 死者が見える物語として有名な物語といえば、M・ナイト・シャマラン監督の『シックス・センス』だろうか。

 今回紹介する『スーサイドライン』(ノース・スターズ・ピクチャーズ)は、死者が見える…のではなく、死体へつながる赤い線が見えるという特殊な能力を持つ刑事の物語だ。


「誰よりも早く死体を見つける男」と「誰よりも早く犯人に辿り着く男」――生者と死者を繋ぐ、警察サスペンス! 捜査一課の捜査官「黒田」は、幼少期に惨殺された家族と数日に渡って閉じ込められていたトラウマから、遺体の臭いが共感覚の様に「赤い線」として見えるようになった。黒田は警視庁内に新設された「特異行方不明者」捜査専門部署・「索査室」で、天才犯罪心理分析官、「伊香賀」と出会い…。


 作者のnaked apeは、ストーリー・デザイン担当の逢川里羅と、マンガ担当の中村友美によるユニット名だ。つまりは共作である。これまでに『switch』や『ハルシオン』、そして『DOLLS』など、麻薬取締官や刑事が主人公の物語を多く描いてきた人気作家である。

 さて、今回の『スーサイドライン』も刑事が主人公だが、登場するキャラクターはどれも曲者ばかり。主人公・黒田は美少年がそのまま大人になったような顔立ちだが、死体から発せられる赤い線を見ることができる特殊能力者だ。よって、彼の死体発見率は異常に高い。

 イケメンなのに死体を発見しちゃうという点にしびれるのに、イケメンは彼だけではない。黒田のパートナーであり、もうひとりの主役・伊香賀も超イケメンだ。彼には特殊能力はないようだが、性格はツンデレのデレがない。ツンツンである。署内では一匹狼で通っている。一匹オオカミのイケメン刑事。最高じゃないか。性格としては黒田はかわいいよりで、伊香賀は尖ったアウトロー。作画自体がかなり美しいので、性格の異なるふたりが会話しているだけで、なぜか尊さを感じてしまう。

 しかも美形は彼らだけではない、上司の永瀬も髭を蓄えたナイスなミドルガイ。枯れ専女子なら一発でハートを打ち抜くダンディさだ。

 美形ばかりで耽美な世界での物語ではあるものの、物語はけっこうえぐい。何せ死体を見つける物語だ。黒田の特殊能力が生まれるきっかけが描かれるのだが、それがかなり鬱である。美しい作品とグロテスクは混じらないもののように思えるが、こういう美しい作品こそ、描かれる世界がどこかぶっ飛んでいて、グロテスクであることが多い。まさに醜と美の対比というやつである。

 明らかに女性狙いの作風であるものの、人間の狂気を描く面があるし、必然的に内容はハードでグロテスクになるので、男性ホラーファンでも十分に楽しめるはずだ。まだ第1巻しかリリースされていなく、第2巻はなんと来年だという。なんと待ち遠しいことか。ストレートなホラーばかり読んでいる方は、こうしたちょっと変化球のある作品にも触れてみると、新しい発見があって面白いのではないだろうか。
(文=Leoneko)

DOLLS

DOLLS

あぁぁ美しい・・・

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