『わたし旦那をシェアしてた』こんなこと現実にある?先行き不安な強引な設定…それを覆す大ドンデン返しミステリーになれるのか?

2019.07.05

 パワフルファイティングミステリードラマ『わたし旦那をシェアしてた』の第1話がオンエアされた。

 食品会社の取締役として働く森下晴美(小池栄子)は、ある財閥の息子・天谷恭平(平山浩行)と事実婚状態で暮らしている。そんな中、晴美のもとに警察から、恭平が意識不明で病院に運ばれたという連絡が入る。晴美が病院へ向かうと、恭平は危篤状態。そこに恭平の妻と名乗る小椋加奈子(りょう)、藤宮茜(岡本玲)が現れる。3人の妻が顔を合わせてパニックになる中、恭平は息を引き取る。刑事の塚本美保(渡辺真起子)から恭平は何者かに殺されたと告げられ、ショックを受ける晴美、加奈子、茜。3人は、自分こそが恭平の本当の妻だと言い争いになり…。

 深夜ドラマっぽい突飛な設定のドラマがやってきた。旦那をシェア? それって不倫ってこと? と思ったらそんなに単純な話ではなかった。

 事実婚を選択し幸せな家庭を築いていたと思ったら、同じような家庭が複数あるなんて普通考えないですよね。これはそんなことが起こってしまった3人のシングルマザーのお話。

 小池栄子演じる晴美・りょう演じる加奈子・岡本玲演じる茜の3人が、物言わぬ体になった旦那を失い、意味も分からないままシェアハウスで生活することになる……。という展開があまりにも強引なんだけど、テンポ良くその状況に陥っていく。その勢いは、突っ込んだら負けだから突っ込むなよ! と言われているかのよう。

 シェアハウスで待っていたのは、これまたクセの強い夏木マリ演じる染谷という管理人。 なぜか遺言書と遺産の3億を現金でもっている。全員の経歴を読み上げ、彼女たちの愚かさをこき下ろし、わざとなのかと思うくらいに彼女たちの闘争心を煽る。彼女は亡くなった天谷とはどんな関係だったのだろう。

 天谷を知る人物が、今のところ全員女なのも気になるところ。事実婚の妻たち3人はもちろん、管理人の染谷、刑事の塚本、ちょい役だろうけど秘書も女性……。それぞれが天谷に対して何かしらの感情を抱いて接していたは間違いがないようだ。

 なぜ彼は殺されたのか? なぜ彼は3人の女性と事実婚をしていたのか? それぞれについていた10個のウソとは? 彼を襲った集団は?

 ミステリ-を謳っているだけに、これらの謎がどんなものなのかが気になるところ。少々設定の荒さがあるが、トンデモな設定に逃げるような構成にはしてもらいたくない。

 謎を解く楽しさと、シングルマザー3組の人間模様など魅力的な展開を期待したい。
(文=三澤凛)

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング