『あなたの番です-反撃編-』菜奈の死によって変わった翔太に、どこまでも狂気に満ちた尾野、そして何かを知っている木下…謎に満ちた反撃開始!

2019.07.01

 初回から物議を醸しだしている【交換殺人】がテーマのドラマ『あなたの番です』。衝撃の第一章より引き続き、反撃編が幕を開けた。

 菜奈(原田知世)を襲って逮捕された早苗(木村多江)は“ミキサー主婦”として世間の注目の的となり、山際の殺害も早苗と正志(阪田マサノブ)の犯行という疑いが強まる。

 しかし、早苗と正志は、警察の取調べに完全黙秘していた。

 翔太(田中圭)は、菜奈の最期の姿を映した動画のことを警察に通報。神谷(浅香航大)と水城(皆川猿時)は、サイバー班を連れてくる。サイバー班が菜奈のパソコンを解析するものの、投稿者は特定できない。翔太は、警察の捜査が進まないことにいら立ち、思わず水城につかみかかってしまう―

 そんな中、翔太は住民会に出席する。この中に菜奈を殺害した犯人が…?と住民たちを観察する翔太。早苗の逮捕を受け、住民会の会長は西村(和田聰宏)に。会の途中、管理人の蓬田(前原滉)が304号室に引っ越してきた住民・二階堂(横浜流星)を連れてくる。二階堂は、人工知能・AIを研究する大学院生だった。AIは凶悪事件の捜査にも使われ始めているという話題になり、微妙な空気になる一同。

 一方、黒島(西野七瀬)は、早苗と正志の息子・総一(荒木飛羽)を近くの公園で見かける。総一は施設から戻り、叔母のサンダーソン正子(池津祥子)と402号室で新生活を始めている。黒島は、慣れない“普通の生活”に戸惑う総一に優しく接する。そんな2人を、何者かが見ていた…。

 翔太は、菜奈を殺した犯人は住民のうちの誰なのかを推理する。「犯人を見つけたとして、迷わず復讐できるかな」と自問自答する翔太。そして彼は、304号室を訪ね…。

 先週の特別編のラストから反撃編がスタート。いつもは菜奈のナレーションから始まっていたものが、翔太のナレーションへ。復讐を決意する鋭い目線からドラマは始まる。兎にも角にも、翔太がずっとぎらついている。

 今までの頼りなくて、ワンコのような翔太ではなく、全てを疑い回りを敵視する姿に胸が痛む。それもそのはず、頼みの綱の警察は、未だに交換殺人の件を上に相談せず、二の足を踏んでいる。

 もう榎本夫妻は逮捕されているのに、なぜ事実を隠すのか? 疑心暗鬼になるのも無理はない。自身のダーツの部品を研ぎ澄まし、武器のように改造する翔太の目は少し怖いくらいの鋭さを持っている。

 事件について口に出すのはやめようと住民会で決まりかけた時に、新たな住民がやってくる。横浜流星演じる二階堂忍。常に顔色の悪い大学院生。人口知能=AIについて研究をしているという。自己紹介の際にAIが今後警視庁にも導入されるらしい、と聞いた際の住民は皆怪しい顔をしていたが、感情を持たないAIがプロファイリングをした際に何かやましいことがあるのだろうか……。

 彼のAIプロファイリングの力を見込んで、翔太は犯人捜しの協力を半ば強引に依頼する。交換殺人がこのマンションで起こっていること、謎がおおい事件だということを聞いた二階堂は「面白そうだ」と食いついてきた。理由が面白そう、という感情なことに嫌悪感を示すも、いまはそれどころではない翔太は住人のデータ集めに真夜中に駆け回る。

 その中でも特に印象的だったのは、翔太の隣人・尾野。元管理人にもらったというネームプレートを何気なくひっくり返した二階堂が見たものはびっしりと描かれた無数の人間の目。上手ではあったが不気味なその絵は一体何を示しているのか。住民会には参加していたのになぜかチャイムには反応がなく、どこかに出かけていたのだろうか。自分が菜奈のために泣いた涙を貯めてプレゼントしてきたり、どこまでも不気味な尾野……。彼女はいったいどんな人物なのだろうか。

 どのシーンをとっても怪しい人物ばかりな中、ずっと口を閉ざしていたシンイーが新たな情報をもたらした。ゴミ捨て場の掃除当番をしていた木下に、新管理人が3階のどこかの鍵を渡していたのを目撃したというのだ。

 その事実を知った翔太は、新管理人に詰め寄る。渡していた鍵は翔太たちの部屋の鍵ではなく引っ越してくる前の二階堂の部屋だった。その話をしている際に、木下の部屋の鍵を奪いとり中に押し入った翔太たちが見たものは、このマンションで起こる事件の写真や記事などを張り付けた壁と、遺体のばらし方の本、ナイフ、そして各住人のゴミをピックアップした棚だった……。

 唖然とした翔太たちの前に現れた木下は「ちょっと早いなぁ、このタイミングで私にたどり着いちゃいますか……」と不敵に笑うのだった。

 木下は何者なのか? 犯人は? 予告に映った尾野の行動の謎など、続きが気になって仕方がない。そういえば途中で流れたラブソングのような歌は田中圭が歌っていたのだろうか。声がそれっぽかったが詳細は出ていないかったはず。その辺りも気になる。『あなたの番です-反撃編-』、どんな展開を迎えるのか……。
(文=三澤凛)

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