■「チケットは当日会場手渡し」で起きているトラブル
東出 チケトレは登録時には厳格に本人チェックを行い、また、チケット受け渡しについても直接売り手と買い手が交渉できない仕組みにしており、チケットを渡す方法も配送のみとしています。
――チケットの転売サイトを見ると、当日会場での受け渡しを認めているものも多いですよね。
東出 そうなると、ウェブ上では正規の料金での取引をしていたのに、いざ当日会場前で「やっぱりいい席だから、あと〇〇円もらえなければ渡せない」といったトラブルが起きる可能性はあります。
それを防ぐためチケトレでは「配送のみ」なのですが、配送だとどうしても受付の締め切りは早めに設定せざるを得ません。現状では(2019年6月時点)チケットがお手元にある状態で、チケットの販売期限は公演の7日前までです。
――でも、「コンサートに行けなくなる」はわりと直前に分かるものですよね。急な仕事だったり、親戚や知り合いに不幸があったりとか……。
東出 そうですね。なので販売期限がかなり早いので、使い勝手の悪さは課題でもあります。今回チケット不正転売禁止法ができたのを機に、法律に該当するチケットについてはもうちょっとハードルを下げ、使いやすくできればいいなと思っています。
■不正転売対策に有効な「電子チケット」。ただし導入はまだまだ少ない
――先ほど電子チケットのお話がありましたが、現状「ぴあ」で取り扱っているチケットのうち、電子チケットの割合はどのくらいなのでしょうか?
竹田 電子チケットは多くはないですが、昨年行われた安室奈美恵さんの最後のツアーのように、一部のアーティストは電子チケットをメインに販売している場合もあります。
――電子チケットは、不正転売対策においてどういった効果が見込めるでしょうか。
東出 電子チケットはトレーサビリティ(追跡性)が紙に比べ優れていますから、チケットが今、誰の手元にあるのか追いやすいメリットはありますね。さらに、遠隔で不正な取引がされたチケットを無効にすることもできます。
ただ、そうは言っても電子チケットを保有しているスマホそのものを貸し出したり、使い捨ての携帯ごと渡す、という手口もあるのですが……。
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後編も引き続き東出氏、竹田氏に、チケット不正転売対策の最前線について聞く。
(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])
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